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糠にしんで三平汁

え?糠(ぬか)にしんって何?
三平汁って何?

にしんを塩入りの糠で保存食にしたものが糠にしんです。しょっぱいです。

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みっちみちに詰め込んで空気と遮断し、保存性を高めています。
アンチョビよりしょっぱいかも。糠効果なのか、旨味の熟成感を感じます。


江戸時代、食や文化を乗せ、交易しながら各地を結び、日本海を疾走した北前船の時代にこの形になったのではないでしょうか。
本州から北へ、米を運ぶ。多分玄米だったでしょう。北海道で精米すると糠ができる。にしん粕は肥料として取引されましたが、塩と糠で固めた糠にしんは船の中の食糧でもあったはず。
「糠にしん」といいます。そして、「すしにしん」とも呼ばれています。

三平汁は、北海道の代表的な料理です。アイヌのオハウというスープから派生したと言われています。昆布だしに魚や肉の動物性たんぱく質と野菜のスープ。三平汁は魚を使います。

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三平汁で使う魚は、鮭、鱈、にしん、ホッケの塩引きや糠漬け。
写真は鮭の山漬けです。(また別の機会にお話ししますね)
味噌は使わず、魚からの塩味で。出汁は昆布です。

作り方は、こうです。

👉野菜は食べやすく切ります。ダイコン、ニンジン、じゃがいも、ねぎ。お好みで、こんにゃくや豆腐を入れる家庭も。のびのびやってください。
魚も食べやすく切ります。

👉鍋に昆布と固い野菜を入れて火にかけます。沸いてきたら昆布を取り出し、魚を入れます。煮えたら出来上がりです。

きょうの私は糠にしんで、こんな風に作りました。

三平

👉ねぎはたくさん使っています。見えないけど。
ぶつ切りにして油を少し使ってフライパンで焦げ目がつくまで焼きました。

糠にしんは、糠を取り除き、水で洗って、キッチンばさみでぶつ切り。ふたり分で、全体量の1/3から1/4ほどです。小さくてすぐ煮えるので、塩を使うイメージで。しょっぱければ水と酒を足し、足りなければ糠にしんを足します。

👉ネギ以外を全部水と一緒に鍋に入れて煮ました!アクが出てきたら取りながら。日本酒で味を整え、じゃがいもがやわらかくなってきたらネギを入れ、すっかりやわらかくなったら出来上がり。色がついているのは、ネギを焼いたからです。
雑な作り方ですが、充分にご機嫌な三平汁でした。
全部の味がしみ込んだじゃがいもが、もう、たまりませんのよ。


函館の近くの七飯町で、ふくしまのこどもたちのキャンプの飯炊きで、いただいた糠にしんと真こんぶと野菜で三平汁を作りました。その時に、函館では三平汁を糠にしんで作るよって教えてもらったんです。
6年生男子が食後に私のところにやってきて言いました。
「北海道の人って、こんなにおいしいものを食べているんですか?」って。
伝統料理がどうして続いてきたかがわかった瞬間でした。

その時の糠にしんが、こちらです。

きょうのわたしのは、余市の糠にしんで。なので昆布も余市の細目昆布を使いました。

あ~、あったまった。おいしかったー。
ごちそうさまでした。

オハウをヒントにしたわたしの三平汁風スープはこちらです。

https://note.com/hokkaido_food/n/n48276c57fa50


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松田真枝
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