文字の波に呑まれることなく
波のリズムに乗って
文字の表面から首を出し
呼吸する
声も出す
文字で表されたものとは異なる声を出す
文字の波は
波打ち際へわたしを吐き出すだろうか
それともわたしを殺すだろうか
文字の波に意思などなく
またわたしの制御できるものでもなく
吐き出されるか殺されるか
いわゆる運というもので決まるのだろう
私がわたしの思った通りになんらかの動きや変化を起こせるという幻には捉われ続けたままに
文字の表面から首を出し
呼吸する
声も出す
文字で表されたものとは異なる声を出す
声量は微量