本の記録①
こちらの小説は、恋愛ものの短編集です。タイトルと、帯に書かれた言葉達に惹かれて購入しました。実はまだ、最後まで読み切っていないのですけれど、今の私にグサグサと刺さるお話に出会ってしまって、記録をせずにいられませんでした。そのお話を読み終わった、高ぶった気持ちのままにnoteを開きこうして書いているわけなのです。
以下、ネタバレ注意⚠️
可愛くなりたいって思うのは、ひとりぼっちじゃないってこと。
私の心を揺れ動かした短編のタイトルです。35歳の女性が、26歳の同僚に恋をするお話です。
一緒にお昼ご飯を食べに行く習慣ができて、それに合わせてお昼前にお化粧直しに行く習慣ができたり、彼につられてジョギングを始めたり、今まで関心のなかった自分の外見や洋服に熱心になったり…とても可愛らしいなと思いました。
同僚の彼はとても素敵な人柄で、とても仲良くしてくれているのですが、大学時代の友人からは、年上だから気を遣われているだけだ、キレイになって良かったじゃん、と言われてしまいます。しかし、彼を好きな気持ちは止められません。
その後、お仕事の関係で、あと2ヶ月しか一緒にいられないことになり、おそらくさよならを言うための食事に誘われます。当日までの間、彼のことを考えます。
彼がいたから、キレイになりたいって思えた。おしゃれをする楽しさも、恋する気持ちも思い出した。惚れた女として見られてはいないことにも気付いていた。
迫るつもりは無い。そのかわり、一緒に過ごした間好きだった。あなたは最高に素敵だ。そう思ったことを伝えてあげたい。とびきり優しい彼は、どんな顔でその告白を聞くのだろう。
ここでお話は終わりです。
私の大好きな友人
今の私にグサグサと刺さるお話だった要因、それは、私の大好きな友人との関係にあります。
友人との関係なので、恋愛ではなく親愛なのですが、私は友人に対してまるで恋をしているようだと思ったことがあるので近しいものだと感じています。
友人は私より5歳年下です。私の方に色々と都合があり、同級生として仲良くしてもらっています。ここがまず、お話の設定と重なりました。
友人と一緒にいると、年下であることを忘れます。友人とお出かけするようになってから、お化粧に気を遣うようになったし、洋服にも熱心になりました。年上だから気を遣われているのかも、と悩んだこともありました。ここも、お話と重なりました。
そして、友人とはあと2ヶ月でお別れなのです。この冬休み中に、友人とお出かけをする予定を立てています。これがおそらく、最後のお出かけになります。
私が友人に感謝していること、友人の素敵なところ、おかげで楽しかった、ありがとう。友人に伝えてあげられることを伝える日にするつもりです。
改まって、自分の気持ちを伝えるのはどうなんだろう、友人を困らせてしまわないかと悩んだこともあったのですが、このお話に背中を押される形になりました。
お話の中の心に刺さった言葉たち
「ずっと隣の席にいて欲しい。ずっと一緒にランチを食べたい。」
「ずっと年下なはずなのに、そのことをつい忘れてしまう。」
「出会ってから、それまで無頓着だった自分の外見を気にするようになっていた。」
「この手を独占できる女の子は、なんてシアワセなんだろう。」
「いつの間にか、自分と美濃田くんの関係に置き変わっていた。」
「この道を、美濃田くんは走っているんだ。そう思うだけで照れくさい。」
「年上の女だから、フツーに気を遣われてるだけじゃない?それ、やさしくされてるのとは違う話だよ?」
「感情は、年を取らないのかもしれない。対処の仕方が大人になっていくだけで。」
「美濃田くんもそうだといいなと思いながら、」
「「ありがとう」と、美濃田くんに伝えよう。大人らしく、にっこり笑って、「おかげさまで楽しかったよ」と。」
「実らなかった恋にも、ちゃんと実ができている。」