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「好き」が大切な今だから改めてこの本を ー暇とは
僕の中で楽しいとは、刺激を受けること。考えることです。
受けた刺激に従って、知りたくなったことと親しくなるのが特に好き。
知りたい事が見つかったあとの調べ物の楽しいこと。図書館に行って関連書籍をあたったり、ネットの検索したり。脳みその中が「そうだったんだ!」で満たされる瞬間が幸福なのです。
こんな風に好きについて考えるきっかけをくれたのが、
國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」です。
「余暇をどのように使うのか。退屈とは何でどう向き合うのか」を追い求める本。たくさんの哲学者の話が出てくるけれど、ズンズン読み進められます。國分さんが読み手と併走してくれている様に感じる文章です。
序章で、國分さんは好きなことを「暇が得られなかった時に願いつつも叶わなかったこと」と仮定しつつ考えをすすめ、暇の搾取を批判します。
ここをスタートして、考えるとはどういうことなのか。暇とか退屈について自分はどう捉えているのかを考えるキッカケをくれます。
具体的には、誰かの用意した楽しみ方に合わせるのではなく自分の好きを歩もうと思った。それはこの本になぞらえると、他人の日常という環世界を移動しながら自分を確立する。となると思う。
自分自身の好きなこと、やりたいこと、ワクワクすることを探す前に、今まで自分がどんな風に余暇を過ごしてきたか。それを見直すきっかけになると思います。是非読んでみて下さい。
最後に、この本で知ったイギリスの社会主義者、ウィリアム・モリス(1834ー1896)の思想をイエスの言葉になぞらえたこの言葉が好きで、いつも胸の中にしまってあるので書いておきたい。(増補新版の帯にも書いてあります)
人はパンがなければ生きていけない。
しかし、パンだけでいきるべきでもない。
私たちはパンだけでなく、バラももとめよう。
生きることはバラで飾られねばならない。
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