相手を想う。そこに自分の「好き」を合わせたら…
私が学んできたアーユルヴェーダ、
あるいは精進料理や薬膳もそうですが、
東洋(医学)には食養生という考え方があります。
・季節のもの、その土地で採れたものを食べる
・材料を使い切る(一物全体)
・その人に合った食べ方をする
・食事するときの心構え
などなど、
食養生とは、健康な体と心を保つための方法であり、食べ物だけでなく食べ方も大切にする考え方だと私はとらえています。
さて、先日一人暮らしの祖母がひどい咳の風邪を
ひきました。寒い所で近所の人と立ち話をしたのがよくなかったようです。
祖母の喉からは、普段の声からは想像できないような、酒やけしたおっちゃんみたいなガラガラ声が出るようになってしまい、笑ってはいけないと思いつつ笑いをこらえることができませんでした。(本当にすまないと思う)
しぶとい風邪ゆえ何日もでかけられず、
食欲もあまりなく、どことなく塞いでいた祖母。
でもちゃんと食べて元気になってほしいなと思ったので、治りかけのある日にお昼ご飯を作ってあげることにしました。
何にしようかな?
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作ったものがこちら↓
テーマは、
病み上がりで栄養をつけたい祖母のための、
消化によくて満足感のある
祖母の好物をそろえた
部屋の中にいても春の香りを感じる、
アーユルヴェーダ的ゆる食養生お昼ごはん
(全部盛り。笑)
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アーユルヴェーダ(以下AYV)的ポイントとしては
・お昼にしっかり食べる
→AYVでは昼に消化力が最も高まると言われる
・とは言いつつ年齢や病み上がりを考慮して
量は控え目
・気分が晴れるように、彩りや盛り付けを美しく
・ノドに良い金柑や、ハチミツ(AYVでも咳や喉に良いと言われている)を使ったメニューを入れる
・いろんな味のものを取り入れる
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完全なアーユルヴェーダ的食養生メニューではありませんが、ポイントは押さえています。
具合の悪いときはなるべくシンプルな献立にしますがギチギチの食養生にするより、今回は見て・食べて気持ちが晴れるメニューにしました。
祖母に明るい気持ちになってほしいと思ったので。
あと今回、スパイスは使っていません。
アーユルヴェーダ=スパイスではないのです。
使うと薬効は高まりますが、今回はスパイス慣れしていない祖母のために省きました。
そのかわり薬味を使ってバランスを取っています。
食べる人の慣れ、習慣を気に留めることが大切!
で。
その後、祖母はどうなったかというと…
食べていたらだんだん調子が出てきたようで、
口数も増えていつもの感じになりました。
最初は「こんな風邪引いて罰でもあたったのかしら」なんてしょんぼりしていたのに!
これには作った私も嬉しいおどろき。
今回作るにあたりアーユルヴェーダの知識にはとても助けられましたが、私にとっての料理の原動力は、相手への想い、そして楽しさだなぁと再確認しました。
やはり料理は好きなことであり、それで祖母が元気になってくれたことはとても嬉しかったです。
祖母は今ではすっかり良い声に戻り、会うと語り部のごとく、昔話からラジオで聞いた話題まで延々と喋っています。(お気づきかもしれませんが、元来祖母はめちゃくちゃ喋る人です)
そんなわけで、祖母のノンストップ・マシンガントーク独演会は、今日も明日も明後日も絶賛開催中です。
おわり(◍•ᴗ•◍)✧*。