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本をつくるとき私は変わる(『本を出したい』の読書感想)
出版を目指す私にとって、目を見開かせてくれる一冊に出会いました。
佐藤友美さん著
『本を出したい』
(CCCメディアハウス)
この本には、次のように書かれていました。
本を出すときには、「過去の自分の考えをまとめる」だけでは全然足りません。本を出そうと思ったときには考えもつかなかった思考を本づくりの過程で獲得するのが、本を出すという行為なのです。
本を出すことは、これまでの集大成を披露することではなく、これからの道標を授かることなのかもしれない
衝撃の一節でした。
なぜなら私は、「本を出す」ということは「自分のこれまでの経験の集大成」にほかならないと考えていたからです。
けれど佐藤友美さんは、それだけじゃ全然足りない、といいます。
「書いていくプロセスのなかで、想像もつかなかったような発見がある」というのです。
この気づきを得たとき、私はどう感じたか。
実は、私、大きな勇気をもらったんです。
なぜなら私は本を出すと決めた時点で、「完璧でなければならない」と考えていたからです。
・経験やスキルを完璧に言語化できています!
・それを完璧に整理できています!
・もう本に書く内容がすべてできています!
そんな超完璧な人しか、出版を目指せないという思い込んでいました。
だから、それができない自分は、本を出す資格がまだないと尻込みしていました。
確かに、本を出す前にコンテンツが十分に揃っていることは、とても重要なことだとは思います。
けれども、「本を出すと決めた時点で完璧である必要はないよ」と、この本を読んで思えたのです。
むしろ大事なのは、本を出すプロセスにおいて試行錯誤することなのかもしれません。
そのプロセスのなかで、自分や読者の意識変容をさらにぐーっと深めるような、貴重な材料が集まるのかもしれない……
そう思えるようになりました。
そう考えた時、一歩踏み出す力を、この本からもらった気がしたのです。
この本には「本を出すために必要なポイント」が散りばめられています。
印象に残ったものを、いくつか紹介しますね。
・アンダーラインを引きたくなる言葉を散りばめる
・「私の格言」100本を考える
・100人の編集者に認めてもらう必要はなく、目の前の編集者1人を口説けばいい
・強いメソッドは「AなのにB」
・社会を見て、企画をチューニングする
・本を書くことの醍醐味は「発見」
・人間だから出来ることは「散らかすこと」
・今後は「誰が言ったか」「いつ言ったのか」「なぜそういうことにしたのか」で、人間を証明していく時代になる
・井戸を掘るなら、必ず自分の井戸だ
・自分にインタビューし、KJ法で章立てする
・気持ちではなく、シーンを書く、など___
特に印象に残ったのは次の一節です。
こんなに時間をかけ、面倒な執筆に耐え、私は何を期待していたのかというと、「私が”まだ考えてはいなかったこと”は何かを知りたかった」という一点に尽きます。
言い換えれば、今知っていることを書き、書きながら考えたことを書き、そして、まだ考えたことがないことは何かを知るために書いてきた。
だから、人のためと言いながら、私は誰よりも強欲に、自分が読みたいものを書いてきたことになります。
(中略)
ただし、矛盾するようだけれども、人に役立つ本を出そうと思うからこそ、新たな問いが生まれると言えます。
なるべく役に立ちたい。再現性を持たせたい。わかりやすく書きたい。
読者のための最適解を考えることは、厳しく条件を縛ることになります。
厳しく縛られるほど、著者は新しい発見を余儀なくされ、次の問いに出会う。
本を出すために最も大事なこと。
それは「どうすれば読者の役に立てるか」の一点に尽きる、というのです。
言われてみると当たり前ではありますが、私にとっては、大きな気付きだったのです。
「本ってなんのために書くのだろう……?」
実はそんなことで迷う自分もいました。
「読者のため?自分のため?」
もともと自己表現をしたくて、情報発信を始めた私。
だからこそ「人のために」とマインドチェンジをするのが難しかったのかもしれません。
けれどもこの本を読み、読者のために考え抜いたそのさきに、自分の世界も一緒に変わっていくのだ、ということを知りました。
いやむしろ「読者のために」という制約をつけることで、より深く自分を知り、より新しい自分になれるのだ、と私は解釈しました。
「読者のため」に書くことが「自分のため」になる__
相反すると思っていたものが、そっと重なった感覚。
私もまだ見ぬ誰かの人生に役立ってみたい
私もまだ見ぬ自分と出会ってみたい__
奥が深い出版の世界のスタートラインに立ったばかり。
この本に書かれていることを1つ1つ実践しながら、浮かび上がる問いと向き合い続けていきたいと思います。
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