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《さくら保育園虐待報道を見て》虐待サバイバーが思うこと。

私は機能不全家庭出身、毒親育ちの虐待サバイバーです。
いま、テレビでよく放送されている『さくら保育園の虐待事件』について思うことを書きます。

◎虐待は犯罪だ!


静岡県裾野市の私立さくら保育園で虐待と言える不適切な保育内容が明るみになった。

私は思わずテレビの前に体育座りをした(もうパニックは起こさない『子供を守りたい大人側の目線』の女になれたので、冷静にテレビが観られます)。

11月30日の裾野市の会見で、1歳児クラスを担当していた3人の保育士による“虐待行為”が明らかとなった。「両足を持ち宙づりにした」「ブス、デブなどと呼びかけた」「カッターナイフで脅した」など15の事例が示された。裾野市長は、一連の行為を、「虐待であり犯罪である」と認識し、刑事告発も考えているという。


そうだよ、虐待はただの犯罪だ。


私はテレビから聞こえてくる、『保護者(お母ちゃん)たちの怒りの声』を聞いた。
よーく聞いた。
(お母ちゃんに限定する必要はないけれど、私が書きたいのは《母》なので、お母ちゃんとします。)

保護者の声

「(3人を)今連れてくるべきでしょ!」

「生ぬるい事いってるんじゃないんだよ、直接連れてくるべきでしょ!」

「自分は当事者3人と話したい、だけど来なかった。直接あやまってもらいたい。その時期ほっぺ青かったんだよね、あざみたいのがあった。ずっと何日間も青くてそれも保育園のせいなんじゃないかと今は思う。許さない、さっさと捕まってほしい」

「やっぱりやった先生、本人が謝るべき、本人に謝罪してほしいと思っているがどうなっているんだか?」


これ、私、自分の母に言いたい!!

ちなみに、父にはこう言いたい。

『隠蔽してんじゃねぇか!』


ここの園長、内部告発を土下座してまで止めたらしい。



私は幼い頃からどんなに酷いことをされても、私のために泣いてくれる大人がいないことが辛かった。

どんなに酷いことされても、私のために怒ってくれる大人がいないことが辛かった。


◎怒り狂ってくれるお母ちゃんがおって羨ましい…

『……。
このチビたち、怒り狂ってくれるお母ちゃんおっていいなぁ…』

羨ましい。

しかし、それ以上に!


私には私を守ってくれる母はなかった。
しかし、いまは私が私(うた)の母だ。

よくも、うたちゃんに毎晩包丁突き付けたな!!
よくも、うたちゃんに物を投げつけたな!!
よくも、ちょっとしたことでうたちゃんを怒鳴りつけて土下座させたな!!
よくも、縄でうたちゃんの首をくくったな!!
よくも、うたちゃんの首を絞めたな!!
よくも、しょっちゅう閉め出して顔が腫れるまで泣かせたな!!
よくも、うたちゃんに『グズ』『のろま』『出来損ない』『落ちこぼれ』『失敗作』『要らない』とか暴言吐いたな!!
よくも、うたちゃんに『お前の通学のために車を出すなんて時間のムダ』だなんて言えたな!
よくも、うたちゃんが努力して入った高校勝手に退学させたな!!
自分の気に入らない服をうたちゃんが着ようとするとキレて仕方ないから、うたちゃんいつもアンタの顔色伺っとったがね!
出先だったらアンタをなだめるのに、うたちゃん必死になっとったがね!
骨折した痛みを、うたちゃんはアンタによう言わんかったんだに?
アンタに『しつこいっ!』ってどやされるのが怖かったから。

どっちが親じゃ!このたわけ!!

私ゃ、うたちゃんのお母ちゃんとして、絶対許さん!!

謝罪すんのが道理だろ!
どーなってんだか!
直接あやまってほしーんですけど!

はぁ?
見てみぬふりしたアンタ(父)も同罪だろうが?!
隠蔽してんじゃねぇか!

うたちゃんは精神安定剤の副作用で太っていたんだよ!

なにが『デブ』だよ!
なにが『ブス』だよ!
アンタ自分が暴行の頂点だって自覚なさすぎなんだよ!!
自分の妻にもモラハラ酷すぎだっただろうがよ!

うたちゃんもサエちゃん(私の妹)も毎日生きた心地しとらんかったぞ!!!

本当にアンタらマジうんこだよ。



私は私の母だ。


私には私という母がいる。


◎私という名の母

私自身、人付き合いも恋愛も下手だ。
だけど、そんな私の手を私はひいて歩いている。
私は❝子供の姿をした私❞の手をひいている。
私の中には、誰にも守られなかった❝子供時代のままの姿をした私❞がいる。
心理学の本では❝インナーチャイルド❞って呼ぶけど、私は『おちび』とか『ちびうた』って呼んでいる。
私が酷いことされたら、『うちの子に何してくれやがる!!』と怒るのが私の役目。

私みたいな虐待サバイバーがオカンなんてある意味最強じゃないか。

インナーチャイルドの『ちびうた』を見つけ出すのにすごく時間がかかったけど、私はこの子を見つけられてよかった。
ホントによかった。

実家から逃げるキッカケにもなったし、実の親たちを完全に諦め、彼等を『うんこ』として見ることを可能にした。




実の親を諦めるのは簡単じゃない。

だって親だもん。

それでもいつかきっと諦めるときが来る。

突然やって来るの。

『なんで、こんなもんが親なの?』

スゥ…っと冷静になるときが急に来る。

いままで畏れていたそれらがうんこにしか見えなくなる。


そして、
『アホらし』
と心底思う。


彼らが『うんこ』に見えたとき、
ホント私はこんな表情になった。


虐待なんて存在しちゃいけない。
犯罪だ。

今回の保育園では『預かっている子』=『他人』だから堂々と犯罪と呼べた。
そこが残念だ。

身内だと、親子だと、犯罪として認識され辛い。

だけどねぇ、虐待なんてうんこがやることなんだよ。


実の親がうんこに見えた私はラッキーだった。
だって、自分の母を得ることができたから。
私は私の母になれたから。

私にとって、私は最強のお母ちゃんだ。



あ、うんこは更生できないからね。
何言っても通じないから。

人間はうんこできるけど、うんこは人間になれないから。

必殺仕事人でも中村主水が言ったでしょ?

『人間(ひと)は鬼になれる
だがなぁ…鬼は人間(ひと)にはなれねぇんだよ』


もう、あとは自分が鬼にならないようにするだけなの。

うんこを許さなくていい。
うんこなんて許す価値はないから。

忘れるために流すのはムリだ。
トイレが詰まる。
忘れることなんか不可能だ。
こんなにでかいうんこは流れやしない。

臭いなぁ、嫌いだなぁと堂々と鼻をつまめばいい。



彼らが責任を取ると言うなら、私に『嫌われること』だ。
嫌われてしまったことを受け入れろ。



◎最後に


さくら保育園の子どもたちはとても怖かったでしょう。
でも、こんなに『うちの子に何すんの!』と怒り狂ってくれる親御さんがいてくれるなら、きっと大丈夫。
そう信じたい。

怒り狂う親御さんたちの声をテレビで聞いていて、私は安心しました。
もちろん、そんな親御さんに恵まれた子らがちょっと羨ましかったけど…

虐待なんて絶対にダメ。

ダメなもんはダメ。





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