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《多様性》子連れ厳禁の婦人科。
私の妹は私と同じく過酷な環境で育ったせいか、初潮の頃から酷い生理不順と泣き叫ぶほどの生理痛に襲われていました。
そんな妹を連れて都会のレディースクリニックの門を叩いたのが今から20年ほど前になります。
そこの方針は「子連れ厳禁」「妊婦厳禁」で、婦人科疾患等で子を持てない人の気持ちに寄り添ったクリニックでした。
20年前といえばまだまだ今よりも子を持たない女性に対して風当たりが強く、未婚女性に対しても風当たりが強かった時代。
当時10代終わりがけだった私にもかなり先進的だと感じられるクリニックでした。
経済的な理由だけでなく、事故や事件に遭い生殖機能に影響が出た人、体質的に生殖能力が低い人、持病があり妊娠出産は難しい人、遺伝性の疾患があり子を諦める人…
いろいろな理由で子を諦める人がいます。
「子育ては大変なのよ?」
「〇〇さんも早く産まないと産めなくなるわよ?」
たまに掛けられる悪意なき言葉。
まぁ悪意を持って発されることもありますが…
子育ては確かに大変でしょう。
ただ、世の中には子を諦めなくてはならなかった人も沢山いるのです。
今の年齢になり、私は思います。
大変かもしれないけれど…
…望んで産めたあなたは恵まれているかもしれませんよ?
「子供がいないとラクでいいよね」
悪意無き発言は、思慮が足りません。
ですが、あえて言い返さないのです。
「大変だろう」と認めてはいますから。
健康上の理由などで子を持たなかった人たちがニコニコ話を聞いてくれている。
心にモヤモヤが溜まっていってもニコニコ聞いてくれているんですよ。
「あなたは大変ね。
私も大変よ」
「そうね、お互い大変ね」
自然にそう言い合える世の中が、本当の多様性を有する社会じゃないのでしょうか。
どちら「が」大変ではなく、
どちら「も」それぞれ大変ね。
そう認識することはなかなか難しい課題かもしれません。