整形外科手術にて。
私は数年前に整形外科で手術を受けている。
子供の頃の骨折が放置されており、三十歳を過ぎてから手術に至ったのだ。
その頃のお話。
(男性目線の下品な会話が出てきます。苦手な方はお戻りくださいね。)
大きな総合病院の整形外科の患者さんは当然ながら整形外科の病棟フロアに集められて入院している。
内臓疾患ではないため、皆キホン元気でよく食べ、よくしゃべる(笑)。
マダムたちに混ざって楽しくおしゃべりしながら、私は「絶対実家を出てやる…私はオヤが言うような異常者なんかじゃない…!」と決意を固めていた。
病棟フロアでたまたまその当時は私が最若年だった。
病棟フロアには「助手さん」と呼ばれる、ゴミ捨てやシーツの交換、車椅子を押すなどの作業を担当している方々がいた。
ベテランの方もいらしたが、ほとんどは若く二十歳くらいの年齢だった。
一日に数回、病室を回ってゴミ集めなどをしてくれる。
三人一組がスタンダードのようだった。
男女比は女性の方が多く、男性は少なかった。
ある日、男性一人女性二人の助手さんたちの会話が聞こえてきた。
女1「ねぇ、アンタ三十歳までの女とならヤれるって言ってたけど△△△号室の〇〇さんはどうなの?」
女2「あ〜、あの人か!どうなの?ぶっちゃけ」
男 「あ〜、△△△号室の三十◯の人?アレならヤれる(笑)」
女1「へー、アレならいいんだ」
………。
そんな話を△△△号室の脇でするか、フツー…
私には過去に男性から暴行を受けたトラウマがあり、実際に接するスタッフさんは女性をお願いしていたが、あまりムリは通らないため、助手さんは目をつむっていた。
しかし、こちらは身体にメスを入れたばかりで身動きが取れないため、この立ち話をベッドの上で聞いてしまったときはゾッとした。
もちろん手出しなどしてこないことは解っていた。
だから黙っていた。
下手に騒げば身動き取れないこちらが不利になる。
私は金銭面もあり予定より早く退院した。
歩く訓練を必死でして、誰も迎えに来ないけれどキャリーバッグを押してよろけながらバスと電車を乗り継ぎ早期退院した。
傷口開かないかしら…
誰も迎えに来ないなんて…
こんなこと言っちゃアレだけど〇〇さん家ヘンよ?
看護師さんたちも不安がっていたけど、なんとか二時間の公共交通旅を経て当時の自宅に辿り着いた。
負けない。
負けない。
負けない。
おかしなヤツらなんかに負けない。
ヘンなヤツからは逃げのびてやる。
今日だってキャリーバッグを一人で押して帰ってきた。
入院中だって他の患者さんたちとコミニュケーションとれていた…
負けない!!
この後リハビリを経て私は夜逃げをするが、この手術は私を強くした。
身体というより精神的に(笑)。
助手さんも人間だから下品な会話や妄想もするのだろうけど、聞かされた側がどんな気持ちになるか考えはしなかったのだろうか?
最近、「□□も人間だから」と□□の部分に職業を当てはめて使う人が増えたけど、人間だからこそ「やってはいけないこと」ってあるんじゃないのかしら?
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