ピーター・パンから見た世界
これをピーター・パン症候群というらしい。
「成熟を拒否はしてないけど、これは自分のことかもしれない。」
と思ってもう少し続きを読んでみた。
んー。該当してるところが半分、してないところが半分と言ったところ。
ぼくは建築を大学院まで学んで、建築設計事務所に勤めるも早々と辞めてしまった。見切り発車で出発した。今は確かに漠然と、こんなものを作りたいとかをあれこれ考えている。提唱者のダン・カイリーが指しているピーター・パンかどうかは定かではないけど、きっと自分は半分ピーター・パンなのだと思った。
ただそれは精神疾患としての名前で、正し直すべき性格という意味で。。要は大人になりなさいということ。つべこべいわずにさっさと就職しろということか。んー。ちなみにぼくは就職はしていないけど働いてはいる。まだそれがお金を稼ぐまでの力にはないっていない。売れない芸人、芸術家、小説家、漫画家、バンドマン、起業家みたいなところか。就職はあまりする気になれない。就職した自分を想像してみてもあまり楽しそうではない。そもそも「稼ぎなさい」ならまだわかるけど、どうして「就職しなさい」なんだろう。こういう考えがピーター・パンと言われる所以なのか。
ピーターパン症候群というインパクトのあるパワーワードと、子供っぽさという平易な意味が相まって、使いやすく本来の意味が拡大解釈され、割と多くの人がピーターパンに該当するんじゃないないだろうか。それにピーターパンである人はピーターパンであることに「気づかない」とか、「反抗する」とか、弁明が強制却下されるから目をつけられたら逃げようがない。
子供ってなんだ? 大人ってなんだ?
もう少し調べてみた。
wikipediaによると❶自己中心的・❷無責任・❸反抗的・❹依存的・❺怒り易い・❻ずる賢い、という要素が子供っぽさであり、人間として未熟とある。つまり大人とはその反対の①協調的・②責任感・③服従的・④自立・⑤穏やか・⑥聡明といったところか。程度の問題はあるとして、自己評価で❹❺④以外はなんとなく当てはまっている。どちらか一方に必ずしも当てはまる訳ではないみたいだ。
❶自己中心的すぎても周りに迷惑をかけるし、
①協調的すぎても自分を偽れば疲弊してしまう。
これだ。
❶❷❸❹❺❻が過ぎても周りに迷惑をかけるし、
①②③④⑤⑥が過ぎても自分が疲弊してしまう。
この狭間でふらふらとアンビバレントに生きている。
今までのぼくは●が悪いものとし○側に偏っていた。そして今はその反動で、今は●側に憧れを持っている。書いていてそれがようやく分かった。だから●側のピーターパンが一方的にボコられている気がして少し気分が悪かった。その考え方は病気だよ、直したほうがいいよって言われて気分が悪かった。今の自分を肯定する最中だったからかもしれない。
それに、病名をつけるのはなんか卑怯だと思った。病名をつけた途端にその主張の正しさが絶対になり、この状態が病という烙印が押される。
●側のピーターパンから見れば、◯の考えは悪いものとまでは言わないが望ましいものではないと感じる。でも病気かどうかは多数決ということになる。だからいつも●負ける。多いほうが正常で、少ないほうが異常。対立関係として認識してしまうと、どちらかが少数多数、勝ち負け、正常異常になってしまう。対立関係ではなくて、地図上のマップみたく位置として捉えればいいと思う。いろんな土地・気候・社会があって、それを好む人たちがいる。この世界をそんな地理的認識にすれば、争いとその難民や被害者は格段に減ると思う。
ぼくは欅坂・櫻坂46のファンでその曲に共感することが多かった。教えられた価値観や常識、周りとの考えと自分とのギャップに踠き苦しみ葛藤し反抗する、そんな歌詞の曲が多い。『サイレントマジョリティー』『不協和音』『エキセントリック』『アンビバレント』『ガラスを割れ!』『黒い羊』『角を曲がる』『誰がその鐘を鳴らすのか?』、最近では『Cool』など。アイドルの力や演出の力はもちろんあれど、その歌詞がきっと多くの人に共感したからこそ話題になったのだと思う。それは多くの人が●と○の間にいる・いたということ。迷えるピーターパンが多いことを示唆しているような気がしている。
未来のピーターパンのためにも、●と○の狭間にあるこの場所を肯定して開拓し、これからもここで生きていきたい。
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