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冬富士を求めて大菩薩嶺

冬山と聞くと雪が多く厳しい環境を想像する方もいるかと思いますが、すべての山がそんな環境ではありません。百名山とされる山の中には厳冬期といわれる時期でも雪が少ない山もあります。そのひとつが山梨県にある大菩薩嶺。地理からして富士山の展望がよく、特に冬は乾燥しているため、とてもきれいに富士山が見れます。その冬富士を求めて大菩薩嶺に行ってきました

スタートは丸川峠分岐駐車場から。グリーンシーズンは上日川峠まで車が入れるのですが、冬季は通行止めとなりこの場所まで。このため2時間ほど多く歩くことになります

ゲートはしっかり閉まっています

駐車場は20台ほど停めれるかな?平日でしたが8時の時点ですでに10台近く停まっていました
気温は-5℃ぐらい。雪はないですが、空気はとても冷たい。山梨は標高が高いので気温は低いですが、雪が降りにくいため地形特性もあり特に大菩薩嶺(甲州市周辺)は雪が少ないそうです
ここで準備を整え、登山開始。なお、ここにはトイレも水道もないため、事前に済ませておくのが吉です

スタートしてしばらくは落葉が広がる登山道を進みます。冬の低山のような雪はなく、葉の落ち切った広葉樹の森を歩きます。天気よく、これなら冬富士も期待できそう!
そこそこの傾斜で、大菩薩嶺というと爽快な稜線歩きが特徴ですが、スタートが暖かい時期より低い位置であることもあり、稜線まではけっこう登ります

歩いてみて気付いたのですが、この山も日向山と同じ花崗岩の山のよう。崩れやすい真砂土地形で、ここも登山者の利用増に伴い登山道の崩壊が進んでしまうかもしれません。日向山や黒戸尾根ほどの状況は見られませんでしたが、どの山も保全は喫緊の課題なのかもしれません

しばらく登ると丸川峠に到着。峠にある丸川荘は週末のみの営業とのこと。この日は平日だったため閉まっておりました

丸川荘の目の前からいきなり富士山がドーン!
近い!でかい!
やはり冬はよく見えますねぇ

丸川峠からは緩やかな登りになりますが、ここから少しづつ雪が登山道に現れてきます。といっても足が沈むほどではなく、うすく残っている程度で冬靴は必要ありません。特に丸川峠からは北向き斜面をトラバースするように進むため雪が残りやすい区間になります

雪は締まっており、チェーンスパイクがあれば快適に歩けます。雪道を歩き慣れた人ならチェーンスパイクも必要ないかも。冬靴でなくともソールがある程度しっかりしたトレッキングシューズなら問題なく歩けるでしょう
※登り限定の話です

このようなソールパターンにブロックがあり、
ある程度固さのある靴なら登りは
スパイク等がなくても歩けたりします。
ただ、下りは危ないので雪があれば
チェーンスパイク等をつけましょう

そして雪の登山道を進んでいくと、ほどなくして大菩薩嶺の山頂に到達します。そう、山頂が樹林帯の中。展望はありません。
大菩薩嶺のメインはここから山頂ではなく、大菩薩峠への稜線歩きにあるのです!(個人的感想)

登山道を下り、雷岩まで下りてこれば展望が開けて、富士山がドーン!
思わず声が出るほど、富士山がめちゃくちゃよく見えます。

南アルプスもしっかり見ることができました

あまりの絶景にゆっくりしていましたが、気温はかなり低く、風もあったため気がつくとかなり寒さを感じました。スマホやデジタルカメラのバッテリーの残量が急降下したので気温は相当低かったよう。いかんいかんと、慌てて移動し始めます

大菩薩峠までの稜線はとても気持ちのよい場所。数年前、秋に訪れた際も気持ちよかったのですがその時はあいにく富士山は雲の中。今回はばっちりはっきり見えます。富士山を横目に快適な稜線歩き。雪は少しありますが、ほとんど土が出た状態です

賽の河原にある避難小屋でしばし休憩。ここで昼ご飯をいただきました

雷岩から30分もかからず大菩薩峠に到着。いまさらながらここは国立公園なんですねぇ。看板を見て知りました
峠にある介山荘は冬季は開いてないそうです。しかし、トイレは開放してくれており大変ありがたいです

ここから一気に下山行程。南向き斜面を歩くためか雪はほとんどありません

しかし道中にあった沢は凍結しており、やはり気温は相当に低くなるようです

福ちゃん荘に到着。こちらは冬季は予約時のみ営業とのこと。
ここはテントサイトもあり、のんびり登山するならここでテント泊をするのもよいかもしれません(なんと冬季も受付ているそうです)

上日川峠から県道横にある登山道を下り、丸川峠分岐駐車場へ戻ります。
ここからの道はあまり歩かれていないためか落葉で登山道が不明瞭になっていたり、落葉の下に木の根が隠れていたりして少し危険でした。冬場歩く際は注意が必要です

冬の大菩薩嶺はアイゼンやピッケルといった本格的な冬山装備を必要とせず、秋山装備に少しプラスアルファするぐらいで登れ、それでいて冬の富士山や南アルプスが一望できる素晴らしい景気が広がる山です。
装備がないから冬の登山は休止、という方でもここなら気軽に登ることができる山だと思います。グリーンシーズンより少し歩行距離は伸びますが、訪れればきっと満足できますよ!


今回持っていった道具

モンベル マウンテンクルーザー600
3シーズン用のトレッキングシューズですが雪の少ない山なら問題ありません
ライニングはゴアテックスパフォーマンスコンフォートのためある程度の低温
なら十分に耐えうる断熱性を持っています
モンベルのチェーンスパイク
結局つけることなく山行を終えました
モンベル ジオラインMW上下
冬の低山ならこのランクの保温性がちょうど良いです
モンベル ジオライン ウエストウォーマー
冬登山の必需品である腹巻。これあるとないとで快適さが違います
ファイントラック ドライレイヤーベーシック
乾燥し低温な時期こそ効果が発揮されるドライレイヤー
これも冬の必需品
スタティック アドリフトクルー
オクタが使われた保温性と通気性に優れる魔法のミッドレイヤー
行動用のグローブ
モンベル サンダーパスグローブ+メリノウールタッチ
冬の低山だとちょうどよい保温性。作業性もよくカメラ操作も苦になりません
ブラックダイアモンド ソロイストグローブ
お守りとして持っていくいざという時のための強いグローブ
ファイントラック フロウラップフーディ
アウターとして使用。ほぼ着っぱなしでした
ファイントラック エバーブレスフォトン
レインウェアですが、冬の低山ならハードシェルはいりません
こちらもほぼお守りとしてずっとザックの中
パタゴニア ダウンジャケット
休憩時はこちらを羽織ります。保温性はやはりダウンが優秀
MIYAGEN クレスト40
容量に優れるので荷物が増えがちの冬山も余裕のパッキング


ロングゲイター
サーモス 山専ボトル

などなど

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