マガジンのカバー画像

哀愁のアクエレッロ

11
イタリアのフィレンツェを舞台にしたノンフィクション私小説です。バックパッカーとして旅をする中で偶然知ることとなった、水彩画という意味のレストラン「アクエレッロ」。この店を営む素敵…
11章分を章ごとにアップしていきます。全体は3万4千文字程度。一章分は平均6~7分でお読みいただけ…
¥500
運営しているクリエイター

#旅

小説「哀愁のアクエレッロ」:一章・街角の旅人

「ヴァイ、ジャポネーゼ!ヴァイ!」  粋に訳せば「来てみろよ、日本人!来てみやがれ!」と…

100
Fumster
6年前

小説「哀愁のアクエレッロ」:第三章・狩り

 翌日は早起きをした。急ぎ身支度を整えると、バックパッカーたちの溜まり場となっているユー…

100
Fumster
6年前
1

小説「哀愁のアクエレッロ」:四章・ダヴィデに夢中

 入り口を入って左に曲がると、右手の回廊の奥に佇む"彼"が視界に飛び込んできた。スポット…

100
Fumster
6年前
1

小説「哀愁のアクエレッロ」:七章・独り占め

 ジョットーの鐘楼を過ぎ、アルノ川を越え、ユースに辿り着いたときにはとうに夜中の一時をま…

100
Fumster
5年前
2

小説「哀愁のアクエレッロ」:八章・再会

 三年後の夏、再びヨーロッパに飛んだ。大学四年生として迎える夏である。就職の内定も決まっ…

100
Fumster
5年前
3

小説「哀愁のアクエレッロ」:九章・ 行方不明

 ルイゼッラと再会を果たし、感動的なサプライズに心震わされたあの瞬間から、フィレンツェと…

100
Fumster
5年前
1

小説「哀愁のアクエレッロ」:最終章・祈り

 翌朝、気持ちよく目覚めると、ポンテ・ヴェッキオに向かう道の途中にある市場でりんごと杏を買い込み、近くの公園でほおばりながら、さてどうやって事にあたろうか考えた。昼間からいろいろと聴き込みを開始するのもいいが、やはり多くのお店が空いている夕方から夜にかけて動いた方が効率がいいだろうと思い、昼間はフィレンツェの街をぷらぷらと歩き回りながら気分を盛り上げておこうと決めた。やはりダヴィデ像はもう一度見ておかなくてはなるまい。ダヴィデ像の絵を描いたことがきっかけでフランチェスコに「フ

¥100