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粉ミルクVS便秘 必勝法を全力解説!

  • 粉ミルクを変えたら便秘になってしまった

  • 便秘気味だから別のミルクを試したいけど、何を選べばいいかわからない

  • ミルクによっては下痢しちゃうこともある

初めまして。分析大好きヴェスナママです。
お子様が上記に当てはまる方に是非読んでいただきたいと思い、全力で執筆いたしました。
noteは始めたばかりで不慣れですがご容赦ください。

私が書く内容は、以下の要素を含みません。

  1. 「うちの子はこうでした」という個人の体験

  2. 特定の商品をPRするための賛辞

1については、赤ちゃんの便秘は個人差がありすぎるからです。
ミルクの口コミを読むと、すべてのミルクに「便秘になりました」「快便になりました」の両方の意見があります。
(時々「下痢になりました」もありますね)
ですので、個人の体験を書くと情報に偏りが生じてしまうので書きません。
代わりに、問題点と解決策をクリアにする方式で攻めていきます!

また、2については「宣伝のためにいいことを書いているのでは?」という心配を手放していただくためです。
私はアフィリエイトやりません。忖度の必要が無い状態で書くからこそ、信頼していただける内容になると思っています。
(説明のためにリンクを貼ることはありますが、お金は動いていません)

それでは、以下から全力解説を始めます。
全力なのでとても長いです。
お時間がない方は目次から好きなところを拾い読みしたり、最後のまとめだけ読んだりしてください。


1.赤ちゃんの便秘の原因

戦うためにはまず敵を知るところからです。
ミルク育ちの赤ちゃんの便秘は、月齢にもよりますが以下のような原因が考えられます。

  1. 腸内の細菌の様子がイマイチ

  2. 消化に時間がかかっている

  3. 乳糖量の問題

  4. 運動不足(特に月齢の低い赤ちゃん)

  5. 水分不足(特に離乳食をよく食べるようになった赤ちゃん)

  6. 生活リズムの乱れ

  7. 生まれつき腸が長いなど、体質の問題

敵がわかれば、どんな武器を選べばいいかもわかるようになります。
上記のうち、1~3はミルクで解決できる可能性があります!
今回は 粉ミルクVS便秘 がテーマなので、1~3に絞って解説していきます!
なお、今回の比較にはアレルギー用ミルクは含みません。ご了承ください。
また、母乳との比較が含まれますが、どちらかを賛美しどちらかを貶める意図はまったくありません。どちらも赤ちゃんのご飯として素晴らしいものです!

2.原因ごとの解決策(1)「腸内の細菌の様子がイマイチ」


大人の便秘でもよく言われる腸内環境の問題ですね。

Q.母乳育ちの子の腸内環境に近づけるにはどうすればいいか?

この問いに応えようと、各社研究開発を続けてくださっています。
母乳育ちの子とミルク育ちの子の腸内環境を比較する研究も行われています。

その結果出された答えは、「オリゴ糖」です。

母乳には200種類以上ものオリゴ糖が含まれると言われています。
それに倣い、ほとんどのミルクにはオリゴ糖が配合されています。
(※オリゴ糖だけが腸内環境に関わるわけではありません)

Q.そもそもオリゴ糖とはなんだ

A.

糖質のうち、最小単位である単糖が2個から10個程度結びついたもので、少糖とも言う。

オリゴ糖 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)

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要するに、「糖の種類の一つ」と思っていただければ問題ありません。

Q.オリゴ糖が入っていると、なぜ良いの?

A.善玉菌のエサになるので、善玉菌が喜んでよく増えるからです。

善玉菌が増えると、日和見菌(菌の中で7割を占める)が善玉菌に味方してくれるようになるので、なおさら腸内環境が良くなります。

Q.ほとんどのミルクに含まれているなら、どれ選んでも同じじゃん

A.違います。

オリゴ糖の種類や量が各社異なります。
そこに、各社の研究成果が表れているのです!

オリゴ糖の入れ方は各社いろいろありますが、大きく分けて派閥が3つあります。

  1. ガラクトオリゴ糖派

  2. フラクトオリゴ糖派

  3. 三種混合

①ガラクトオリゴ糖派

ミルク界で最も大きい派閥です。
ガラクトオリゴ糖は母乳にも含まれているので人気が高いのでしょう。
この派閥に属するのは以下のメンバーです。

  • 和光堂「はいはい」

  • 雪印メグミルク「ぴゅあ」

  • 雪印ビーンスターク「すこやかM1」

  • グリコ「アイクレオ バランスミルク」

Q.配合量が多ければ多いほどいいんだよね?

A.多ければいいというものでもありません。

 体質・体調次第で必要量は左右されます。

Q.じゃあどうやって選べばいいのさ

A.ミルクを選ぶ際の判断基準のひとつとしてお使いください。

例えば、ガラクトオリゴ糖派のミルクに変えたら便秘になってしまったという場合、それじゃ次はフラクトオリゴ糖にしようかな、といった感じです。

②フラクトオリゴ糖派

この派閥に属するのは明治「ほほえみ」のみです。

Q.ガラクトオリゴ糖と何が違うの?

A.甘さや最小有効量が異なります。

フラクトオリゴ糖の方が甘みが強いです。
最小有効量(腸内フローラの改善を示す量)も、フラクトオリゴ糖の方が小さいです。

Q.ん?最小有効量って??

A.どれぐらい摂取すれば腸内フローラが改善するか、その最低限の量のことです。

大人の場合、ガラクトオリゴ糖は1日に2.5g、フラクトオリゴ糖は1日に1g摂取すれば効果があるとされています。
フラクトオリゴ糖の方が少量で効果が発揮できると言えます。


Q.じゃあフラクトオリゴ糖の方が良いよね??

A.配合量や体質も含めて考えるので、どちらが良いと言うのは難しいです。

「ほほえみ」には100ml当たり270mgのフラクトオリゴ糖が配合されています。
一方で、「すこやかM1」100ml当たりに含まれるガラクトオリゴ糖は330mgです。
配合量、最小有効量、そして赤ちゃんに合うかどうか、これらを考えると優劣はつけられません。
「ほほえみ」が合わなかったから、今度はガラクトオリゴ糖派にしようかな、という風に考えてみてください。

③三種混合派

この派閥に属するのは、森永乳業「E赤ちゃん」と同社「はぐくみ」です。

Q.三種混合って?

A.ガラクトオリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロースが配合されています。


Q.ラフィノースって何?

A.植物に含まれるオリゴ糖の一種で、ビフィズス菌を増殖させる働きがあります。


Q.そんじゃラクチュロースは?

A.こちらもビフィズス菌の大好物で、乳糖を原料にして作られたオリゴ糖です。
20世紀初頭の母乳とミルクの研究で、ラクチュロースを乳児に与えると便の状態が母乳育ちの子に近づくことが発見されました。
ラクチュロース|森永乳業まいにち乳life (morinagamilk.co.jp)


Q.どうしてこの三種類なの?

A.母乳育ちの子と同じような腸内環境にしてくれるオリゴ糖の組み合わせを厳選したそうです。
ここに、森永乳業さんの研究成果が表れていると言えます。

オリゴ糖について まとめ

以上より、オリゴ糖の3つの派閥と特徴がわかりました。
この派閥がわかると、次に試すべきミルクがわかりやすくなります。

例えば、仮にミルクを「はいはい」に変えたら便秘になってしまい、便秘の対処法をいろいろ試してもうまく改善されず、ミルク以外に原因が思いつかなかった場合、どうすればいいでしょうか?
(※「はいはい」を挙げているのはあくまで例です。わかりやすくするために名前を出しただけであり、「はいはい」が便秘になりやすいわけではありません)

「はいはい」はガラクトオリゴ糖です。
もし赤ちゃんにガラクトオリゴ糖が合わない場合、同じガラクトオリゴ糖派のミルクを試しても、同様に合わない可能性があります。
(※便秘の原因は一つではなく複雑なので、オリゴ糖だけが原因でない場合も多くあります)

ですので、もし「はいはい」から変えるとしたら、フラクトオリゴ糖の「ほほえみ」か、三種混合の「E赤ちゃん」や「はぐくみ」を試してみるのがいいでしょう。
これでもうまくいかなかった場合、原因はオリゴ糖ではなさそうだということもわかります。

次は、原因の二つ目「消化に時間がかかっている」問題について解説していきます。

3.原因ごとの解決策(2)「消化に時間がかかっている」

ミルクは母乳より消化に時間がかかると言われています。
消化に時間がかかると、水分も吸収されてしまい便が硬くなることで、便秘になりやすくなります。
特に、胃腸がやや弱めで消化する力が少ない赤ちゃんの場合はその傾向が強くなるでしょう。

ミルクメーカーは赤ちゃんの胃腸への負担もちゃんと考えてくださっています。
具体的には、以下の方法で消化負担を減らしています。

  1. タンパク質をあらかじめ消化した形で配合している

  2. 乳清たんぱくとカゼインの比率を母乳に近い60:40に調整している

詳しく解説していきます!

①タンパク質をあらかじめ消化した形で配合している

消化に良いミルクと言えば、何といっても森永乳業「E赤ちゃん」です。
牛乳と母乳のタンパク質は赤ちゃんの体での利用率が異なるため、育児用ミルクには母乳の約1.3倍のタンパク質が配合されています。
そのタンパク質をすべてペプチド化して配合し、消化負担を約30%低減することで、母乳と同等の負担にしているのです。

Q.ペプチド化って何?

A.タンパク質を消化した形にすることです。

 E赤ちゃんのパッケージや商品サイトでは、りんごとりんごのすりおろしに例えて説明してくださっています。

Q.「E赤ちゃん」以外のミルクはどうなの?

A.「E赤ちゃん」はすべてのタンパク質をペプチド化していますが、同社の「はぐくみ」は一部のタンパク質をペプチド化しています。

「E赤ちゃん」が欲しいけれど高いかも……と思う場合は、「はぐくみ」を試してみるのがいいでしょう。
また、和光堂「はいはい」は、β-ラクトグロブリンを予備消化することで、未分解品よりも負担を53~73%低減しています。
※β-ラクトグロブリン:牛乳に含まれる消化しにくいタンパク質
レーベンスミルクはいはい|商品特長|離乳食|粉ミルク|ベビーフードの和光堂 (wakodo.co.jp) 

Q.消化が良いと、便秘以外にいいことはある?

A.消化のためのエネルギーが多少節約されるので、そのエネルギーを別のところに使えるようになります。

熱が出たときや体調不良の時は消化力も落ちやすいので、消化のいいミルクを飲ませてあげるとより良いかもしれません。
(そのミルクの味に慣れていることが前提です)

②乳清たんぱくとカゼインの比率を母乳に近い60:40に調整している

牛乳の乳清たんぱくとカゼインの比率は20:80で、カゼインが多くなっています。
カゼインは胃の中でカード化(凝固)してしまうので、消化の負担になります。
赤ちゃんがミルクを飲んで時間が経ってから吐き戻しするとき、サラサラではなくややどろっとしていませんか?
あれは胃酸でカード化したカゼインです。
そのカゼインを母乳に近い比率(60:40)にすることで、消化負担を和らげています。

この手法をとっているのが和光堂「はいはい」、雪印メグミルク「ぴゅあ」です。
安いミルクの代表2つがこの手法を採用してくれているのはありがたいですね。

次は、三つ目の原因「乳糖量の問題」について解説します!

4.原因ごとの解決策(3)乳糖量の問題

赤ちゃんの便秘について、健栄製薬のサイトで以下のような記述があります。

一般的に母乳を飲む赤ちゃんよりもミルクを飲む赤ちゃんの方が便秘になりやすいと言われています。というのも、母乳に含まれる乳糖は腸内の善玉菌(ビフィズス菌)を活性化させるため、排便をスムーズにする効果が期待できますが、ミルクには乳糖が少ない(もしくは含まれないものもある)ので、便秘を起こしやすいと考えられているのです。

Vol.17 赤ちゃんが便秘になったらどうする? 便秘になりやすい時期や、改善方法を知っておこう | コラム|便秘解消! | 酸化マグネシウムE便秘薬|健栄製薬 (kenei-pharm.com)

アレルギー用ミルク以外で乳糖含有量についての情報がほとんど得られなかったため、残念ながらミルクごとの乳糖量を比較することはできません。

しかし、和光堂「はいはい」とグリコ「アイクレオ バランスミルク」は乳糖の量が母乳と同等であるようです。

母乳中の糖質含量は約7%で、そのほとんどが乳糖で占められています。
「はいはい」(調乳100mlあたり)では、乳糖含量を母乳とほぼ同じ6.7%に調整すると同時に、全糖質含量についても母乳と同等の7.3%としています。

和光堂レーベンスミルク はいはい|商品紹介|離乳食、粉ミルク、ベビーフードの和光堂 (akachan.jp)

母乳と同じくらいの乳糖で、母乳に近いあっさりした甘さを実現しました。

アイクレオ バランスミルク|商品情報|ICREO/アイクレオ (glico.com)

どちらかというと、上記の引用部分は味やエネルギーについての記述なので腸内環境のことは記載されていませんが、「母乳と同じくらいの乳糖」であるならば、「ミルクに乳糖が少ない」という問題を解決していると考えられます。

乳糖量が気になる場合は、「はいはい」または「アイクレオ バランスミルク」を試してみるのがおすすめです。
なお、どちらもガラクトオリゴ糖派に属します。

※メーカーがアピールしていないだけで、他のミルクも乳糖量が母乳と同等である可能性も考えられます。メーカーからの確実な情報があるのが上記の2商品であることにご留意ください。

Q.飲んでみて甘かったら乳糖が多いと言えるのでは?

A.乳糖以外にオリゴ糖などが含まれ、オリゴ糖の種類によっても甘さが異なるので、残念ながら味や炭水化物の量で判断するのは難しいと言えます。

5.原因ごとの解決策(4)その他の工夫

グリコ「アイクレオ バランスミルク」にはヌクレオチドが多く含まれています。
ヌクレオチドにはビフィズス菌を増やす効果があるようです。

ビフィズス菌を増やす”ヌクレオチド”を母乳に近い量配合

アイクレオ バランスミルク|商品情報|ICREO/アイクレオ (glico.com)

Q.ヌクレオチドとはなんだ

A.核酸塩基+糖+リン酸 が結合したもののことです。ここからリン酸が除かれたものはヌクレオシドといいます。

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雪印メグミルクさんのサイト上の説明がわかりやすかったので、引用させていただきます。

ヌクレオチド

すべての生物の遺伝に関わる核酸(DNA,RNA)の基本構成成分です。ヌクレオチドは、普段は体内で合成されるのですが、乳児のような成長期には体内合成だけではまかないきれないため、母乳など体外からの摂取が必要といわれています。

シアル酸、ガラクトオリゴ糖・ヌクレオチドとは |「ぴゅあ&たっち」雪印メグミルクの粉ミルク (meg-snow.com)

ヌクレオチドは他のミルクにも含まれているのですが、最も母乳に近づけて配合しているのは「アイクレオ バランスミルク」です。
乳児の健康な成長や発達を主な目的として配合されており、腸内環境については副次的な効果であるように思われます。

6.まとめ

上記の長い長い解説より、以下のことが明らかになりました。

  • 腸内環境を整えるために、ミルクにはオリゴ糖が配合されている

  • オリゴ糖の配合方法については3つの派閥が存在するため、選ぶときの参考にできる

  • ガラクトオリゴ糖派:「はいはい」「ぴゅあ」「すこやかM1」「アイクレオ」

  • フラクトオリゴ糖派:「ほほえみ」

  • 三種混合派:「E赤ちゃん」「はぐくみ」

  • 消化負担を軽減することで便秘が改善することもある

  • 消化負担が少ないミルクは「E赤ちゃん」、次に「はぐくみ」であり、「はいはい」、「ぴゅあ」も負担を軽減する工夫がされている

  • 善玉菌を増やす乳糖は、「はいはい」や「アイクレオ」に母乳と同じくらい配合されている

  • ヌクレオチドにはビフィズス菌を増やす効果があり、「アイクレオ」に多く含まれている

上記から導き出される必勝法は以下の通りです。

1.今飲んでいるミルクはどんなミルクなのか把握する
オリゴ糖はどの派閥か?消化しやすさはどうか?乳糖量はどうか?

2.問題点がどこにあるのかを探り、1を参考に対応する解決策を試してみる
例1:以前別のミルクでも便秘になったことがあり、そのミルクも今のミルクも同じオリゴ糖を使用している
→別のオリゴ糖を使用しているミルクにしたらどうか?

例2:月齢のわりに授乳間隔が長いようだ。便もやや硬い気がする。
→消化に時間がかかりすぎているのかもしれない。
 消化に良いミルクを試してみるのはどうか?

例3:ミルクは変えていないけれど、以前に比べて便秘気味になってしまった。また、授乳間隔が短く、すぐおなかがすいてしまうようだ。
→消化には問題がなさそう。
 別のオリゴ糖を使用しているミルクか、乳糖量が母乳と同等のミルクにしてみるのはどうか?

例4:考えてみたが、オリゴ糖・消化・乳糖のどれを変えればいいのかわからない。
→変えやすいところから試していくのはどうか?
 ミルクは値段の差も大きいので、試しやすいものにとりあえず変えてみて、その後赤ちゃんの様子からどこに問題があるのかを探ることもできる。
 オリゴ糖を変えてもダメだったら、次は消化負担を考えてみようかな、と次の一手を考えていくと道筋が見えてくるかもしれない。

※どの例においても、ミルク以外が原因である場合もあることにご留意ください。また、必要に応じて小児科の受診もご検討ください。

これらを参考にミルクを選んでいただけたら、そして便秘改善の一助になれたらとても嬉しいです。

すべての赤ちゃんが元気にすこやかに気持ちよく成長していけますように。

最後までお読みいただき大変大変ありがとうございました。

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