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月とコーヒー
『月とコーヒー』
○著者 吉田篤弘
○出版 徳間書店
○出版年 2019年
○定価 1,980円(税込)
この本と最初に出会ったのは神保町のカフェでした。24のお話からなる短編集ですが、その時は最初の3つほどしか読めず、何ヶ月か経ってから本屋さんで見かけたので思わず購入しました。
寝る前に読む話、それも続きが気になって眠れないものではなく、あれはどうなったのだろうと考えているうちに眠りに落ちてしまうような話を、ということで著者の吉田篤弘さんが書かれた本です。
読んでみると本当にその通りで明確なオチとか大逆転劇とかそういうものはないけれど、読み終わるとふわふわと現実と夢の境にいるような気持ちになります。
お話の設定も、インク工場で働く山崎・バナナ会議をする猿達・熊の父親が営む旗の店、といったように少し現実離れしているのだけれどかけ離れている訳でもないのです。
なんと言っても語り方が丁寧で、一つひとつのお話を読み終わった後にはなんだか包み込まれるような温かい気持ちになります。
私のお気に入りは「アーノルドのいない夜」「世界の果てのコインランドリー」です。
是非読んでお気に入りのお話を見つけてみてください。