遺跡で出会ったスケベな考古学者
大切なことは全部「発掘現場」で学んだ。
スーツやネクタイを着て、就活する周りを見渡すと不安になるだろう?
違うぞ。違う。君は君の道を進んでる。一見一生懸命に見えるけど、彼らも何に一生懸命になれているか分からないんだ。君はまだ、定職には就けていないものの、でもやりたいことはハッキリしてる。行きたい方向が分かってる。それでいいんだ。
好きでもない仕事、興味のない仕事に就く。給料日以外は、地獄だ。好きな仕事ならば、興味の持てる仕事ならば、努力を努力だと渦中の本人は気付かない。そうすると、自然と周りより仕事にかける時間が増える。それが楽しいから。段々、できることが増える。仕事のクオリティは上がっていく。実績が少しずつ溜まり、あるいは周りからの評価に繋がっていく。
できる範囲でいいんだ。できる範囲でいい。人によって努力できる範囲、限界は違う。あそこまでできる奴もいれば、そこまでしかできない奴だっている。だけど、重要なのは、「自分のやれるところまでやる」ってことだ。そうすると、周りは助けてくれる。人は、一生懸命何かに打ち込んでる奴を見ると、応援したくなる。助けたくなる。キャパシティは人それぞれ。だけど、ちゃんとやることだ。
きっと、発掘調査は俺の方が上手いが、でも頭は多分君の方がいいよ。
22歳。いいなあ君は。俺の人生と交換したいよ。これから君の人生は始まるんだね。様々なことが待ち受けている。だけど、どれも君の人生にとって最良なものだ。
悔いはないね。面白い人生だった。