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無題

3年前に書いた文章。今ふりかえってみると、たぶんこの頃から回復が加速していった感じがある。このまちにある美しいものにハッと目がとまるようになって、写真におさめるようになって、それに気づいてくれた友だちがいて......その過程に「回復」のための大事なことがあるような気がした。

わたしに何ができるか...というときに、「小さな美をたくさん集めて愛でることを一緒にやる」ということはできると思った。


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このまちには身近な自然があふれている。花や草や木だけじゃなくて、鳥とか、空とか、風とか。古い家々、お寺や神社などの祈りの場所もそうだし、たくさんの自然の中に守られていて、人という生き物が、ここにちゃんと暮らしている感じがある。

なにより無理がない。大きすぎるものへの無意味な挑戦がない。嘘がない。飾り立てたり、必要以上によく見せようとする感じがない。
本来、人間の手には負えないはずのものに、好戦的な態度で征服していくようなあり方がない。

ここに来る前はノスタルジーだけを感じていたんだけど、暮らしてみるとそうではなかった。ノスタルジーからではない。人間の本来性に添って人もものもあるから落ち着く。

自然は毎日表情が違うから、このまちではいつも何かしら発見がある。