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【決意表明】続ける/働くをテーマにした写真集「ひとすじ」を制作しています!

「ひとすじ」は、”50年以上ひとつの仕事を続けている”方々を、フィルムカメラを用いて写真におさめるプロジェクト。
個人が自由に仕事を選べるようになり、転職や職種転換も当たり前になった現代だからこそ、その人々の生きざまはよりシンプルに、そしてクリエイティブにうつります。
このnoteでは、撮影とともに行ったインタビューを記事にしてお届けします。
2024年10月11日よりクラウドファンディング実施。
2024年11月22日-24日の3日間、東京原宿のSPACE&CAFE BANKSIAにて写真展開催。記事だけでなく、支援と来訪心よりお待ちしております。

はじめまして。普段は映像ディレクターとして活動しております中村 創(なかむら そう)と申します。

人生初の写真集を6人のメンバーと共に作っています。50年ひとつの仕事を続けた方のポートレートや仕事風景をフィルムカメラで撮影した写真集「ひとすじ」です。

これまで撮ったひとすじな方々。

写真集だけではなく、映像作品も組み合わせ、最終的には各地で展示もできたらと思っています。

現段階で細かいスケジュールは決まってないですが、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいなと思い、このnoteを書くことにしました。最後までどうぞよろしくお願いします!

自己紹介と作品を作ろうと思ったきっかけ

はじめにちょっとだけ自己紹介させてください。

1997年4月1日生まれの26歳。明治大学に入学後、バックパッカーをする中でカメラにハマりました。その時点では、カメラを仕事にする気はこれっぽっちもなかったのですが、アルバイトやインターンを経験する中で、写真や映像を撮っている時の時間の流れが圧倒的に早いことに気づき、新卒で映像クリエイターとして独立しました。

しかし、独立したタイミングでまさかのコロナ禍に突入。周りの方々のおかげでここまでなんとか生きてこれた次第です。これまでお仕事くださった皆さま、本当にありがとうございます。

今は映像ディレクターとして演出を決めたり、時に監督/撮影/編集を一貫したビデオグラファーとして企業の映像コンテンツや観光プロモーションの制作などに携わってます。時々、写真のお仕事もさせていただいてます。

仕事としての映像制作はとても楽しく、天職だと思っているのですが、その反面、タレントさんの契約の関連で必死に制作した映像が非公開になってしまうことがありました。

また企業案件の性質上、制作の方向が視聴者ではなくクライアントさんに向いたりする中で、いつか自分で好きなように、そしてあわよくば、誰かの心に刺さり、長く残るような作品を映像もしくは写真で生み出したいと思ったのが創作のきっかけです。

一瞬を切り取るフィルムカメラの面白さ

高騰していますが、全てフィルムで撮影。

映像の仕事をしている人がなぜ写真集?と思う方がいると思いますが、ことのはじまりはフィルムカメラ。パートナーが写真のカメラマンをしており、旅行中にフィルムカメラを貸してもらったことがきっかけで、徐々にハマってしまいました。

基本的に、映像は長回しで複数のアングルから撮ります。何度も何度も同じシーンを撮って、その中で1番良かった映像を使うイメージです。デジタルカメラで写真を撮る時も同じ。何枚も撮って、よかった写真を厳選します。

一方で、フィルムカメラは1枚のシャッターを切る重みがあります。今回の制作で使っているフィルムカメラの『hasselblad500cm』では、フィルム1本あたり、たった12枚しか撮れません。しかもそのフィルムが高騰し、1本2,500円〜3,000円になっています。

だからこそ、本当に心が動いた瞬間を撮る必要があります。どれだけ自分的にこれは上手く撮れたと思っても、結果は現像して写真を確認するまでわかりません。仕事でデジタルカメラの恩恵を受けているからこそ、余計にフィルムカメラのアナログ的な面白さに惹かれてしまいました。

器用貧乏な自分と50年寿司屋の職人

寿司屋でのちょっとした話が今回の制作に繋がっています。

ちょっと話を変えて、今回のテーマの話を。

あれもこれもと手を出し、少しできるようになったら他の刺激を求めてすぐ辞めてしまう。「器用貧乏」、これが自分の学生時代を最もわかりやすく説明できる言葉です。

特に大学時代は、ブログで稼ごうとしたり、ゲストハウスをやろうと思ってみたり、マーケティングインターンをしたり、趣味でカメラを持って旅に出たり。好奇心旺盛と捉えることもできますが、1年ぶりに会う人には「創くん、今は何やってるの?(笑)」と呆れながら聞かれる始末。

自分自身も、「何をやっても続かない。」「新しいことやってもすぐ辞めちゃうんじゃないか」と自己肯定感が低く、自信を失っていました。この写真集を始める前も、前ほどではなくとも、心の奥底には長く続かない、続けられない自分にネガティブな気持ちを抱いていました。

時は流れ、2021年春。北海道の小樽に行く予定があり、歩いてる途中で見つけた一軒のお寿司屋さんに行きました。コロナ禍真っ只中で、カウンターには自分1人。

コロナ禍の現状や寿司ネタの説明はもちろんのこと、小樽のことや、これまでの仕事のことをたくさん喋っていただきました。

「いつからお寿司屋さんをやってるんですか?」と質問をすると、学校卒業後、50年前後寿司職人をやってることを聞きました。当時の私は24歳、こっから74歳になるまで1つの仕事をやるなんて考えられない、純粋にすごいなと思ったことを覚えています。

当時の日記にはこの日の感想がこんなふうに書かれていました。

こだわりがあって、向き合い続けてる人が好き。自分も動かされるし、そういう人の生き様を撮りたいと思ってしまう。

2021年5月1日

そんな想いを、50年1つの仕事を続けている人に絞ることで、その生き様を、働き様を、写真で撮らせてもらうプロジェクトを始めました。

現在17組を撮影。鳥肌が何度も立つ時間を経て。

2024年3月現在、17組の方のポートレートを撮っています。職業・職種は全員バラバラです。撮影地も北は北海道、南は福岡まで日本全国。最終的には25組を撮影・取材することが目標。

・バーテンダー
・和菓子屋
・駄菓子屋
・旅館
・おもちゃ屋
・サーファー
・自転車屋
・郵便局
・植物園
・りんご農家
・京織物
・塗装工
・薬剤師
・牧師
・占い師
・酪農家
・アイヌ民芸店

私を含めた全7名(インタビュアー/ライター:野澤 雪乃、増田 亮央、編集者:新野 瑞貴、コピーライター:後藤 花菜、デザイナー:本間 はる華、キュレーター:勝俣 泰斗)で全国を飛び回りながら、撮影と取材をしています。

記念すべき1枚目の集合写真

元々は撮影をするために事前に知っておきたい、これまでの人生や仕事に関するお話をお伺いしていました。

ですが、本当に毎回鳥肌が立つような経験や心に響く言葉をたくさんお聞きし、これまでの人生を写真だけにとどめておくのは勿体無い!と感じ、このnoteで取材内容を毎週木曜日にお届けしていきたいと思っています。ぜひこのマガジンをフォローして今後の記事をお待ちいただければ幸いです!

最後に

今回の撮影で使っているカメラ「Hasselblad500cm」

長文を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

自分の興味関心でただ写真集を作るだけではなく、撮影/取材をさせていただいた方の人生や、仕事観をもっと多くの人に知ってほしいという強い思いも生まれてきました。

続けることが素晴らしいのかどうかはわかりません。もしかしたら続けない方が幸せな場合もあると思います。高齢まで全員が働くべきだとも思いません。

ただ、少なくともこれだけははっきりと言えることは、撮影させていただいた皆さんの仕事への向き合い方は本当に素晴らしいということ。私自身もこの半年で、自分の働く/続けるを見直すきっかけになりました。

最後になりますが、写真集「ひとすじ」を起点に、誰かの心に響く作品を創っていこうと思っています。少しでも面白そう、興味があると思っていただけたら、ぜひ応援していただけると嬉しいです!

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では次は毎週木曜日の取材記事でお会いしましょう!

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