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思いついた時に、旅の思い出話など

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何となく南極気分(いよいよ乗船、そして上陸)

何となく南極気分(乗船まで)の続き。 いよいよ南極クルーズ船に乗船。夕方、船は出航した。 さて、ツアー料金には食事や、ラウンジでのコーヒーも含まれている。 食事の時間にレストランへ行くと、コース料理が用意されている。オードブルからデザートまでナイフとフォークがならび、蝶ネクタイの給仕人が…要するに私たちにとっては格安25万円のツアーだが、周囲の客は100万、若しくはそれ以上出している客なのだ。 初日の夕食…いや、ディナーは大失敗だった。6人席に座ることになり、他国のお金

何となく南極気分(乗船まで)

10月末から2ヶ月働いた短期のバイトも、そろそろ終わりに近づいている。今日は日記は休み、バックパッカーをしていた頃の旅の話を書こうと思う。 南極へ行ったのは2005年のことで、少々記憶も薄れており、記憶違いのこともあるかもしれないが、取り敢えず書き出してみることにする。 研究者でもなく、料理人でもなく、文豪でも大金持ちでもない一旅行者が、南極へ行けると知ったのは、1999年中近東を旅行中に、シリアの宿で泊まり合わせたバックパッカーから聞いた時だった。南米アルゼンチンの最南

ビビンバ

ボリビアを旅した時、首都のラパスで韓国人がやっている韓国料理店があると聞き、行ってみることにした。そこは年配のご夫婦二人で切り盛りしている小さな店で、何を食べても美味しく、ラパス滞在中毎日のように通った。 忘れられないのがビビンバだ。ビビンバという料理を食べる時、石の器の中で、ご飯とナムルを混ぜるということは知っていた。が、ナムルの味を知りたくて私は混ぜる前に箸をつけ始めた。 いや正確に言うと箸をつけようとしただけで、箸をつけることはできなかった。なぜならば私が箸を持った

シナイ山

昨夜夢をみた。昔、エジプトのシナイ山へ登った時の夢だ。 シナイ山は、モーセが神から十戒を授かったとされる場所で、山頂に小さな教会があり、毎日たくさんの人が訪れる聖地となっている。 実はエジプト行きを計画した時、シナイ山は予定に入っておらず、シナイ山がどこにあるのかも、どれくらいの高さなのかも、人々が御来光を拝みに行く場所だという事も知らなかった。 私はシナイ半島のビーチの近くで、カイロを目指しバスを待っていたのだが、カイロ行きのバスどころか、普通のバスさえ通らない幹線道路

エクアドルといえばバナナ

むかしエクアドルへ行ったときの話しです ガラパゴス諸島へ飛ぶため、私たちはペルーからエクアドルへ入国し、エクアドル第二の都市グアヤキルへ向かうことにしました。 たいそう治安がよろしくない国で、移動にも気を使うことにして、ローカルバスではなく、二階建てのエアコンバスのチケットを買いました。 グアヤキルまで何キロだったのかはよく覚えていませんが、数百キロの行程を5~6時間くらいで走る予定だったと思います。 赤道直下で一年中暑い国です。エアコンバスに乗って正解でした。 バスがバ

「ぱん」のこと

タイのその小さな島へ行ったのは、二十年以上前、夫婦でバックパッカーを始めた頃のことです。 その島は、犬が首輪もせずにその辺りを自由に歩き回っているような、のんびりとした島でした。宿で飼われている犬もいれば、そうではなさそうな犬もいて、そんな犬たちは観光客から貰う食べ物で生き延びているようでした。 そんなわけで私たちも、泊まっていたバンガローへ来た犬に、朝食用に買ったパンを千切って与えました。 「ぱん」と名付けたその犬はガリガリに痩せており、他の犬と群れをなすこともなくいつも