『誰が「橋下徹」をつくったか 大阪都構想とメディアの迷走』感想
発行は2015年ですが、今読む価値のある本でした。
感想をTwitterに書いたら、著者の松本さんがリツイートで「今日もまたテレビや週刊誌に「吉村総理待望論」があふれているようです。5年も前の本ですが、マスメディアも維新も、同じことを繰り返してるんだなあ、と。」とコメントをくださいました。
以下、私がTwitterに書いた感想です。
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『誰が「橋下徹」をつくったか』(松本創)読了。
すごい本だった。吉村知事の「やり方」が彼とよく似てると聞き、読んでみた。
データを都合よく切り取り印象操作する方法は都構想からの伝統芸だとよく分かった。
今は操られている数字が、命に直接関わる状況だけれど。
コロナ対応に追われているはずの知事や市長に加え、無関係の橋下氏までテレビに出まくっていることに対する答えもここにあった。
維新への身内意識、テレビ的なわかりやすさ、分業化により問題意識が共有されにくい業界事情。
何より、橋下氏自身が世論を反映したメディアそのものだということ。
「都構想という無謀な政策に拘泥し、政争に明け暮れていたせいで、市民生活が顧みられなかった7年あまり」と書かれているが、コロナで経済が崩壊した大阪で、万博、カジノ、そして亡霊のように甦る都構想が今後も重視されることは明らかだ。インバウンドバブル再びの幻想にもしがみつくだろう。
さらに、メディアに対する警鐘も今まさに必要だと思うことばかり。
・「中立公正・客観的な報道」という言い訳のもと情報が検証されないまま垂れ流されている
・レイシストから言論の自由と民主主義を取り戻す必要がある
・声を上げた者に対する冷笑的態度が問題を肥大化する
肝に銘じようと思う。
本の内容が気になる方は、5月に著者の松本さんと地方政治が専門の記者・吉富さんが対談したこちらのイベントレポートもお読みください。
【HBO!】急伸する吉村大阪府知事と維新の人気。ほんまにそれでいいのか? 吉村・松井の大阪府市政を「再」検証する
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