トラウマとは何か? 対処法は?
ひと口にトラウマといっても、さまざまな種類があります。
ここでは、ごく普通のありふれたトラウマについて言及します。
さて、トラウマとは「個人で対処できないほどの圧倒されるような体験によってもたらされる心の傷のことだ」と一般的には説明されています。
しかし、わたしたちがよく口にするトラウマとは、要するに「本当はこうしたい・こうありたい」という気持ちを親によって踏みにじられた、その経験のことでしょう。
例えば、本当は、大学の文学部に進学したい。しかし、そのことを親に言ったら「文学部なんか卒業してどこに就職するの?」と言われ続け、親の声の方が大きいのでなんとなく文学部ではない就職に有利な学部(例えば経済学部とか法学部)を目指しているうちに、なんとなく心が元気でなくなって、気がついたらしっかり病んでしまっていて、ネットで「トラウマ 対処法」などとググっているような状態――。
私たちの心には、「自分でもなぜだかわからないけど本当はこうしたい・こうありたい」という気持ちが、ものごころついた頃から芽生えています。
その気持ちを踏みにじると心が元気ではない状態が容易に生れます。
そのことを多くの人はトラウマと呼んでいるようです。
さて、その対処法はとても簡単で、本当はこうしたい・こうありたいという気持ちを、まずは言葉にして発することです。
「本当は文学部に進学して小説家になりたい」と思っているのであれば、恥ずかしがらずにそれを口にすることです。
まずはそれができた時点で、30%ほどトラウマから立ち直れています。
その後は自分でその目標を達成するための環境をこしらえることです。
小説家を目指しているのでは生活できない?
いいえ。サラリーマンの傍ら、夜や休日に原稿を書き続け、物書き一本で食っていけるようになった人はたくさんいます。
親が子の「本当はこうしたい・こうありたい」という気持ちを踏みにじるには、それなりの理由があります。
例えば、先の例でいえば、「文学部を卒業しても就職口がないのではないか」という、無知に由来する心配だったりします。
そのことを、ことさら親の人格否定に使わないことが重要です。
文学部を卒業したのでは食っていけないという思い込みを持っていた(しかし実際には、文学部を卒業しても三菱UFJ銀行に就職している人もいれば、 Googleに就職してる人もいる)。ただそれだけのこと。
トラウマ、トラウマと騒ぎ立てると、問題がややこしくなって解決しなくなるのです。
わたしたちが一般に口にするトラウマとは、じつはこれだけのことなのです。
トラウマ、トラウマと騒ぎたてる人とは、トラウマにおかされている人ではなく、じつは親を憎む憎しみに縛られて苦しみもがいている人なのです。
それはトラウマとはまた別問題です。