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【世界の朝ご飯プロジェクト第一弾!】砂漠の国、モーリタニアの朝ご飯を食べる
世界中のいろんな朝ご飯を食べてみたい!!そんな思いから始まったプロジェクトの第一弾。
まずは、国ランダム選択ツール(https://ohmyluck.com/ja/random-country/)を使って国を決めます。ボタンを押して出てきたのは、、
「モーリタニア・イスラム共和国」
え、どこ???
なんとなくアフリカかなということは分かりますが、どんな国かまったく検討がつきません。いったいどんな朝ご飯が食べられるんだろう!楽しみです!
せっかくなのでまずは、モーリタニアという国について調べてみました。
国土の9割が砂漠。モーリタリアってどんな国?
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モーリタニアは、アフリカ大陸の西部にあり、大西洋に面する国。なんと、国土の9割以上をサハラ砂漠が占めています。年間の降水日数は10日程度と大変少ないです。
人口は465万人と日本の約30分の1ほど。モール人やアフリカ系など様々な民族が住んでいますが、99%がイスラム教徒です。1960年に独立するまではフランスの植民地で、その後はクーデターや国際社会の仲介を経て、現在では透明性のある選挙が行われ大統領が選出されているそうです。
日本のたこのほぼ半分はモーリタニア産
モーリタニアは、日本とは縁遠い国のように感じますが、実は日本のタコのほぼ半数がモーリタニアから輸入しているものだそう。モーリタニアでは、タコを食べる習慣はないのですがなぜタコ漁がこれほどまでに発展したのか。その背景にはこんな素敵な話しがありました。
1960年にフランスから独立を果たしたモーリタニアですが、国を支える産業がなく、国民は貧困に苦しんでいました。そんな中、救いの手をさしのべたのが当時の日本政府。モーリタニアの漁業振興をするため、当時世界各国で漁業指導を行っていた中村正明さんが派遣されました。
当時のモーリタニアは大西洋に面しているにも関わらず、魚を食べる習慣が無かったため、漁業という産業すら存在していませでした。しかし、モーリタニアの海に上質なマダコが生息していると知った中村さんは、漁業の素人でもできるタコ壺を使った漁業を住民に教え、海外に輸出するようにしました。
その後、タコ漁はモーリタニアの主要産業に成長。今では、国の収入の半数を占めているといいます。モーリタニアの人たちの中には、中村さんに敬意を示し自分の子どもに「ナカムラ」や「マサアキ」といった名前を付ける人も多いそうです。
太っている女性が美しい?ガバージュという習慣
モーリタニアでは、女性は太っているほうが美しいと考えられているそうです。それは、ふくよかな身体が富の象徴とされ、男性にとっても妻や娘を太らせることができると行った事実が、一種のステータスになるからだそう。
そのため、嫁入り前の娘を強制的に太らせる「ガバージュ」という習慣があるそうです。10代前後になると、毎日砂糖をたっぷりいれたミルクや油料理を大量に飲み食いさせます。食べない子に対しては体罰を与えることも。さらに、食べ物を喉に詰まらせて亡くなってしまうケースや、糖尿病や心臓病といった健康被害も起きているそうです。
これらを問題視し、モーリタニア政府も 2001年よりガバージュ撲滅キャンペーンを始めています。ガバージュを受ける女性の数は減っていますが、「太りたい」という願望を持つ女性はいまだに多く、「太れば金持ちと結婚できて幸せになれるから」と娘のためと信じてガバージュを実施する母親などもいるそうです。
日本では、女性がダイエットのしすぎで身体を壊してしまったりする問題がありますが、その逆もまたしかりなのですね。娘のためと信じて、大量の食事を押しつけた結果、娘が早死にしてしまうかもしれないなんて、なんだか切ないですね。。
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モーリタニアの朝ご飯を作ってみよう!
ついつい楽しくて、モーリタニアに関する勉強がはかどってしまいました。他にも興味深い話がたくさんあったのですが、本題のご飯づくりに話しをもどします。
モーリタニアの朝ご飯を調べると、パンとお茶が主流とのこと。遊牧民は、ラクダやヤギのミルクを発酵させて砂糖と混ぜ、氷水で割った「ズリック」と呼ばれるものをお腹いっぱいになるまで飲んでいるそうです。
パンとお茶だといつもの朝ご飯とほとんど変わらない。でも、ラクダやヤギのミルクは手にはいらないし、そもそも自分で発酵させるのはさすがにハードルが高い、、、ということで朝ご飯ではありませんがモーリタニアの伝統料理を作ってみることにしました。モーリタニアでは、クスクスや子羊の丸焼き、スパイスの効いた魚や野菜をのせたご飯などが食べられているそう。日本のカレーのようなマフェというピーナッツペーストをベースとしたカレーもあるそうです。
今回は、「世界の家庭料理」というHPを参考に、リオーポワソンと呼ばれる料理を作ってみました。
1)材料を準備!
【材料】(2人前)
・米 1合
・魚 2切れ ※イワシやアジが使われることが多いみたいです
・タマネギ 1/2個
・ニンニク 一片
・キャベツ 1/16個
・ジャガイモ 1個
・にんじん 1/4個
・なす 1/2個
・かぼちゃ 100㌘
・トマト缶 100㎖
・ケチャップ 適量
・固形ブイヨン 1個
・塩、こしょう適量
・粉唐辛子 適量
・サラダ油 適量
・水 100㎖
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2)食材はワイルドに切ろう
完成品を見てみると、ほぼまるごと状態の野菜たちが入っていたので野菜は大きく切りました。なんだかワイルドでいいですねー
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3)魚を揚げる
切った魚は、素揚げします。後で煮込むのにわざわざ揚げる意味あるのかなと思いましたが、考えてみるとアフリカやインド、エスニック料理などでは魚や肉を素揚げすることが多いような。。。
向こうは気温が高くて食品が傷みやすいから食品衛生上とりあえず揚げているのかなあ、、それともカロリーを高くして太るため?なんて考えながらどんどん魚を揚げていきます。
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4)タマネギとニンニクを炒め、トマト缶、ケチャップを投入
油をひいたフライパンでタマネギとニンニクが茶色くなるまで炒めたら、トマト缶とケチャップを投入。炒め合わせていきます。
ここまでは完全にケチャップライスの作り方ですね。
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5)水を入れて味付けをしたら、野菜や魚を煮込む
さきほどのケチャップライスの素に、水とブイヨン、塩こしょう、粉唐辛子をいれて味を調えます。
レシピには、粉唐辛子適量と書いてあったのですが、適量がどれくらいか分からない!というか、正解の味が分からないので味が調ったのか分かりませんが、モーリタニア国民になったつもりで直感に従って入れていきます。
さっきまではなじみのある臭いでしたが、粉唐辛子を入れると一気に異国感のある香りに。すごいな、粉唐辛子。。。
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6)火が通った魚や野菜をいったん回収
トマトスープで魚や野菜を煮て、火が通ったらいったん皿に取り出します。魚は3分ほどで火が通り、その後は火の通った野菜から順番に取り出しました。
これが結構手間がかかる!一回揚げて、さらに煮込んで、また取り出すなんて、なんて手の込んだことをしてるんだ。なかなかやるなモーリタニア国民。
丁寧な暮らしをしていらっしゃる。なんて思いつつ、すでに料理開始から1時間が経過。朝ご飯ではなく、お昼ご飯になりそうです。。
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7)魚や野菜を煮込んだスープに米を投入
いよいよラストの工程です。魚や野菜の出汁がしみこんだスープに、お米を投入します。お米はタイ米を使用。もうすぐ完成間近です!!
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8)お米の上に野菜と魚を盛り付けて完成!!
できたああーー!
約2時間の調理時間を経て、ようやく完成しました。時計を見ると時間は12時半。しっかりランチの時間になってしまいました(汗)にしても、なんとも不思議な見た目。野菜が大量すぎて、お米が隠れています。
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さっそく食べてみよう!
....なんか、懐かしい味!
どっかで食べたことのある味です。すこし辛いケチャップライスに大量の野菜添えといった感じでしょうか。食材をお皿の上で細かくして、混ぜながらたべると、いろんな味がして楽しかったです。本場の味がこれなら、日本人の味覚の好みと大分近しいかもしれません。
いつか現地の味をたべてみたいなあ。モーリタニアの人たち生活をのぞき見できた気がして、とっても楽しい日曜日の朝になりました!
来週は、どこの国の朝ご飯がたべられるかなー
参考資料
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000470115.pdf
http://www2.aia.pref.aichi.jp/koryu/j/kyouzai/H24/Mauritania.pdf