落合陽一 日本進化論 今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?
日本進化論の要約も折り返し地点を過ぎ、第4章教育についてです。
今の教育は、生きていくために大事なことを教えているか?
私にも小学生の子供がいるので身近な問題ですが、学校教育の内容が適切か?と言われれば微妙と言わざるを得ません。
なにより、学校での授業の様子が私が小学生だったおよそ30年ほど前とそれほど違わないという点です。
本書でも指摘されているように「シルバー民主主義」な国なので、高齢者にとっては自分たちやその子供たちが受けた教育を今の子供に受けさせれば十分だという発想も分からなくはありません。
意思決定する側が変化を求めていないので、上っ面だけのICT導入で電子黒板を導入しても本質的にはこれまでの授業と何も変わらないわけです。
キーワードは多様性
これまでの教育があまりに画一的だったことを思えば、これからの教育、特に高等教育では多様性が重要になります。
それは、学習方法の多様性、学習内容の多様性、そして教師の多様性です。
学習方法の多様性
今はMOOC(オンライン講義)やオンラインサロンといったオンラインでの学習も活用し、学びたいことをいつでも学ぶことが出来ます。
特に、ある分野の基礎段階はオンライン学習で十分なケースが多いので、上手く活用することで幅広い教養を得るのに役立つのではないでしょうか?
学習内容の多様性
学習の手段がオンラインに移行して生徒の学習データが集まってくれば、さながらAmazonがオススメ商品を紹介してくれるように、AIを活用して生徒一人一人に合ったカリキュラムの提案も出来るようになります。
また、各々に最適なペースや内容で学習することで、学習の成果も大きくなります。
教師の多様性
これは「平成最後の夏期講習」で出た話ですが、例えば「徴教師制」のように、教師でない大人が数年間だけ教師をやるような仕組みを作ることで、学校の外の世界に触れられる機会が増えるのはいいと思います。
言われてみれば教師になる人の大半は学生時代から順調に学校生活を送って教育学部に入るという、いわば「ほとんど学校しか世界を知らない」人たちなので、画一的な教育が延々と引き継がれていくのも無理もありません。
実現可能性はさておき、かなり良い制度なんじゃないでしょうか?
この章での学びをどう行動につなげるか?
この章での学びは、教育に多様性が必要で、学校教育がその方向にシフトするか否かに関わらず、多様な学習方法や内容から自分で選択して学ぶ必要があるという事です。
私に出来ることといえば、親として学校以外の世界のことと、自分で学ぶ方法を伝えることくらいでしょうか。
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