ひすみの歌集:夏短歌『空の青』
はじめに
こんにちは。ひすみです。
こちらは、『https://youtu.be/WB9D9SdbGHo』に載せた歌を一覧にしたものです。
よろしければ、動画の方もご覧いただけるとと思います。
題『空の青』
エジプトのような夏から下校して冷えた麦茶のオアシスを知る
青空に架かりし虹を覗き見る雨の残した鏡の中で
空の青に煙のごとく立ちのぼる入道雲とその子どもたち
夏の陽がレースのカーテンすり抜けて陶器な肌にタトゥーを落とし
くすのきの相合傘で鳴いている蝉の求愛 我の告白
片恋を握りしめるたびぼやけゆく君の姿は陽炎になり
風情など気にしない君が風鈴の音に微笑む風情知る僕
輪郭をなぞって落つる君の汗ひとつぶ、ふたつぶ、ただただ眺むる
現代は凍えるよりも溶かされて消えそうになる夏越しの日々
懐メロの夏のうたの歌詞涼しげで時代感じる令和の酷暑
この星は人の利便に患った科学の病にうなされている
「かき氷シロップ全て同じ味」それでも選ぶいちごシロップ
杏色の電車とともに帰りたい一人じゃ切符も買えなかった頃
オレンジと紺が混じった濁色は夕日を立てる昼夜の境界
夕暮れが侵食してく空色は灯台照らす海の波のよう
オレンジが紫色と溶けあって夏の日暮れを思うカシオレ
星くずが海のほとりに降りそそぐ願い事さえオンラインから
ゆらゆらと光の粒を煌めかせ闇夜の波を泳ぐ夏星
海の青、空の青、葉の青は人にない色だからより美しき
日没の5時も日の出の5時も鳴く太陽時計のひぐらしの声
おわりに
私は、井上陽水さんの『少年時代』がとても好きで、私の中でメロディも歌詞も理想の夏だと思っています。
でも、この理想の夏は温暖化が進んだ現代ではもう二度度で会うことはないのでしょうね。それはなんだか悲しいことで、なんとなく涼しいのに温かい夏を求め続けて夏の短歌をよく作ってしまいます。
みなさんには、どんな夏模様がありますか?
理想の夏を是非、歌にしてみてください。
きっとそれは、素敵な夏の思い出になると思います。
それではまた、歌ができるまで。