あの場所にはまだ暗闇が存在していた 〜 「こんな夜は」 松山千春
田舎町の夜は都市部とは違います。
まだ、闇が存在していて、
ちょっと路地に入ろうものなら
街灯の灯りも届かない闇が広がります。
田舎町ではなくとも
そんな場所はあります
昨年、奈良を旅したとき、
ふと9時過ぎに出歩いたことがあります。
近鉄奈良駅から、繁華街を抜け
鹿のいるエリアに入るころには
闇が灯りに勝ってきます。
興福寺の境内に入ると
そこは訪れる人もいない
闇の中でした。
ただ一つ、自動販売機だけが
文明を予感させるものでした
そんな夜、
まだ闇が存在していたことに
文明開花以前
人々が見ていた風景に近しい闇が
まだ存在していたことに
不思議な安心感を覚えたまま
眠りについたのでした。
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