「ジュラシックパーク」(アメリカ映画・小説)
1991年。
北の国の都市部の書店で、それと出会った。
恐竜が表紙になっている本で、そこにはジュラシックパークと書いてあった。
帯には、スピルバーグによる映画化が成される予定と書いてある。
その本を手に取り、レジに持っていった。
そして瞬く間に読み終えた。
後の映画は、内容よりも、恐竜のリアルさに主眼が置かれていたように思う。
仕方ないのかもしれないが、パニック映画に近かった。
脚本に、小説の作者が関わっているから、
作者にとっては、的外れではない内容だったのだろう。
ただ、小説を改めて読んでみると、この作品のテーマは以下ではないだろうか
・いきすぎたバイオテクノロジーへの警鐘
・いきすぎた科学優先主義への警鐘
人類はこれらを過信してしまうと。
小説や映画にでてくるマルコム博士が、
やや偏った見解ながらも、この2点を強烈に突いている。
そして、この点を、恐竜王国を作り上げた富豪が一切理解しないのも
リアルだなあと感じる。
その富豪が、自分が作り上げた世界において、その世界の住民である
恐竜によって非業の死を迎えるのも、諸行無常を思わせる。
さらに、マルコム博士も、それと時を同じくして、
同じように、恐竜による被害で生命を閉じていくのだ。
そして、その恐竜たちもまた、現代テクノロジーによる
爆撃で生命を散らしていく。
映画も小説も娯楽であるが、この作品は、恐竜が現代に蘇るという点で
見るのではなく、本来のテーマを考えながら見るべきだろう。
(*映画と小説では結末や、ストーリーが少し異なります。)
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