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おすすめ映画のご紹介です

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印象に残る映画には印象に残る音楽があります。 思い出の名場面に流れていた音楽、言葉を映画と共にご紹介していきます。
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記事一覧

「ベルベット•ゴールドマイン」(イギリス🇬🇧映画)

ベルベット・ゴールドマインとは、デイヴィッド・ボウイ初期の曲のタイトル。 そんなことからも分かるように、グラムロック色満載の映画です。 グラムロック=グラマラスなロックということで、このジャンルが出現したのは70年代後半。古きよきブリティッシュロックバンドたちがオールドウェイブと呼ばれ、新たに登場してきたグラムロックや、パンク、ディスコミュージックを称して呼ぶニューミュージックという言葉が誕生した時期にあたります。 古きよき哀愁漂うブリティッシュの何たるかがこのとき崩壊

レコードジャケット博覧会シリーズvol.17 〜 きれいで素敵なジャケット特集

今回は、うーむ、きれいなジャケットだ!!と思ったものをご紹介します。 TRIOSENCE 「Scorpio Rising」ドイツ出身のジャズピアノトリオ。音がきれいで繊細で、メロディラインもしっかりして情緒もあって、、ということで、大ファンです。毎度、ジャケットも素晴らしいんです。 MASARU OHISHI 「Water Mirror」水墨画のような淡い色彩。 ANGRA 「Angels Cry」

河瀬直美監督作品「萌の朱雀」

河瀬直美監督の映画を久々に見たらデビュー作、萌の朱雀を思い出す。 昔書いた記事↓ 有料にしちゃってるので、一部抜粋。 強烈に匂いを感じる映画ですね。 この森の匂いって、そこにすんでいなくても 山に親しんだことのある人なら一度はかいだことのある匂いなのかもしれません なんだか懐かしいなあと思ってみていると、 一昔前の日本で起きた核家族が離散していく様を 自然体で描いた映画だったんですね。 朱雀とは古典で言うところの鳥ですね。 萌とはすなわちこの吉野の山々のことでしょうか

映画「風の絨毯」

日本とイランの合作映画です。 飛騨高山で四百年前に消失した伝説の祭屋台を現代に蘇らせようとする動きがあったようです。 そのときに、、江戸時代にシルクロードを渡ってきたペルシャ絨毯が祇園祭の屋台にかけられた史実をヒントにして、祭屋台を飾る見送り幕にペルシャ絨毯をかけようとしたことが始まり。 (日本とイランはシルクロードの端と端。時代を経て、シルクロードの両端が結ばれたんですね) 日本よりもイランが映画の中心舞台ですが、そのイランの建築が壮麗で、礼拝堂のようすとか、音楽と

「ロッキーホラーショー」(英国映画)

この映画。 演劇でカルト的な人気を博した後に映画化と相成ったそう。 公序良俗といった言葉とは無縁の(といっても、ものすごく過激というわけではないが)テーマ性。でもこれが最高の映画&舞台なんです。 テーマ性や、ストーリーよりもやはり、この見た目の印象が強烈。スーザン・サランドン(若い!)も出演しているのが驚きで、こういったジャンルも好きなのでしょうかね・・ またこの作品は、音楽もポイント。「タイムワープ」なんて永遠のアンセムとなるのではなかろうか。 時代の影に、ひょっこ

どことなく小津安二郎の世界も彷彿とさせる名作 ~「運動靴と赤い金魚」(イラン映画)

子供が主人公の映画ってどうして、こんなに感動できるのでしょうか。それは、きっと純粋で一生懸命な姿にうたれるんでしょうね。妹のためにマラソン大会に出場する少年が初々しい。 イランの青空は、日本と同じ澄んだ青でした。とても純粋な子供の瞳にうたれます。いつまでたっても、こんな純粋な気持ち、持っていたいものですね。 どことなく、小津安二郎の世界も彷彿とさせる名作。 ご家族でご覧になってくださいね。

57時間後に恋に落ちる ~「恋する惑星」(香港映画、ウォン・カーウァイ監督作品)

クランベリーズの「Dream」という曲と、ママス&パパスの「夢のカリフォルニアがとても印象的な作品でした。 前半は、金城武とブリジット・リンの一瞬の邂逅。 なんか、こう、一瞬だけ距離が狭まって一夜明ければまたもとの距離に戻っていくっていうのは、なんともいえず、実の世界でも起こりそうで、ものすごく共感できたりする。 あと、この映画、素敵な言葉がちりばめられていますね 「57時間後に恋に落ちる」とか でも一番すきなのは後半のフェイ・ウォンとトニー・レオンの会話。 あり

「小早川家の秋」小津安二郎(日本映画)

もう9月ですが、まだ残暑が厳しいですね。 先週あたりまで昼間は、気温も高めで、夏のようでしたが、最近、特に夜はめっきり秋の気配が漂いだしました。 もう鈴虫が鳴いております。 涼しい夜半に、ベランダで虫の声を聞きながら、お茶を飲む。それはもう、至福のひと時ですよね。 そんな秋の訪れを感じさせてくれる作品をご紹介いたしましょう。 それが表題作。 小津監督晩年の作品。 原節子は、これが最後の小津作品となりました。 かつての愛人のもとに通い詰める道楽者の老人と、彼の周

「マディソン郡の橋」(アメリカ映画、小説)

この作品に出会ったのは高校の頃だったろうか。 興味を持ったり理由は何故だったかと思い起こしてみれば、 もしかすると本の帯のコピーによるものだったかもしれない それにはこうあった 果たして、この本の内容が、我々自身の物語だったかどうかというと 実際このような物語を経験するほうが少ないとは思う。 ただ、誰もが、恋にまつわる物語を持っているはず。 それがどのような結果に終わったにせよ。 そういう意味合いで、「あなた自身の物語」を捉えたほうが良いのだろう。 初見時は高校の頃

「ジュラシックパーク」(アメリカ映画・小説)

1991年。 北の国の都市部の書店で、それと出会った。 恐竜が表紙になっている本で、そこにはジュラシックパークと書いてあった。 帯には、スピルバーグによる映画化が成される予定と書いてある。 その本を手に取り、レジに持っていった。 そして瞬く間に読み終えた。 後の映画は、内容よりも、恐竜のリアルさに主眼が置かれていたように思う。 仕方ないのかもしれないが、パニック映画に近かった。 脚本に、小説の作者が関わっているから、 作者にとっては、的外れではない内容だったのだろう。

戦争の持つ悲劇を分かりやすく、かつ、暗くならずに描いた作品 ~「一枚のはがき」(新藤兼人)

新藤兼人監督の作品。 これは、戦争の持つ悲劇を分かりやすく、かつ、暗くならずに描いた作品です。 良いと思ったのは戦争を日常風景にしているので、戦争状態であることが日常生活であるという点を意識して描いている点。上層部の思惑や現地での出来事がどんなものであれ、一般人には関係なくそれはただそこにあるものでしかない。ただ、そういう状態であるということ。 悲しい出来事にもどうすることもできず、状況を受け止めるしかない。 おそらくはこれが一般人の当時の感覚だったのかもしれないです

気ままな午後に楽しみたい作品 ~「アパートの鍵、貸します」(アメリカ映画)

ジャック・レモンとシャーリー・マクレーンの気ままなコメディです。 自分の部屋を上司の逢引の場として提供していた男。そんなある日、上司とともにその部屋を訪れたのは思いを寄せていた彼女だった・・ そんなことから始まるストーリー。 昔の映画のいいところって、何かなあって考えてみることがあります。それは印象深い台詞やシーンが必ずあるということ。 これは現代の映画には、とくにハリウッド超大作には、あまり見られません。 過去のクラシック映画から名言、名セリフ、そして、その場面を

原作を下地として待ったく別の映画を作ってしまったかのような ~ 「シャイニング」スティーブン・キング原作、キューブリック監督作品

スティーブン・キングの小説の映画化。アガサ・クリスティの作品を例にあげるまでもなく、小説の映画化は、これまで数多くの作品があります。 でも、ほとんどが、原作を超えることが出来ないものばかりのような気がします。 しかし、これはちょっと異質です。 原作を超えるというよりは、原作を下地として待ったく別の映画を作ってしまったかのような印象があります。 しかも、完成度の高い作品として・・・ スティーブン・キングの小説に見られる、あの生々しい心理描写、詳しい事象の描写、そのとき

人は誰かと出会うことで、何倍にも輝いていける ~ 「ティファニーで朝食を」(オードリー・ヘップバーン)

「人は一人では生きてはいけない」 本当にそう思います。 それって、恋人じゃなくてもいいんです。 家族でも友人でも、親しい誰かであれば。 中島みゆきの「WITH」という歌の中に、 「一人きり 泣けても 一人きり 笑うことはできない」 というのがあって、最近になってやっとこの歌の持つ意味と、歌詞の意味が分かってきたところなんです。 (WITHというタイトルもそうですよね。WITHということは二人以上ですもんね) 誰かの支えや、出会いによって、それまでの人生が急に好転してしま