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心の中の「インナーゲーム」がリアルなゲームの勝負を決める

テニスやゴルフなどのスポーツの最中に、こんな会話をしたことがありませんか?

「コーチに教えてもらったグリップの握りになっているか確認して!」
「ボールを打つ時のスタンスはこれくらいで良かったっけ?」
「ほら、また肘が曲がったじゃないか!」
「ここが勝負なのに、苦手なショットで失敗するんじゃない?」

誰が誰に話しているか分かりますか?
ご想像の通り、自分が自分にダメ出しのオンパレードで話しかけているのです。
(;^ω^)

対戦相手と競っているスポーツの最中に、実は心の中で「ふたりの自分」がせわしなく会話をしていることがあります。
これを「インナーゲーム」といいます。
「ふたりの自分」は「セルフ1」と「セルフ2」と呼びます。


『心で勝つ!集中の科学 新インナーゲーム』
ティモシー・ガルウェイ著

テニスを難しくしているのは、心理的要素だという現実だった。
プレーヤーはショットを打つ前も打つ間も、ものを考えすぎている。
自分の動作を頭でコントロールしようと頑張りすぎている。
結果について意識過剰になり、敗戦やミスの影響を心配しすぎている。
つまり、心配が多すぎてプレーに集中できていないのだ。

この本の中の「セルフ1」とは、自分の自我のことです。
「セルフ1」は命令をしたり、良い悪いの評価をすることが大好きです。

「セルフ2」とは、自分自身の肉体とその能力の実態を指します。
「セルフ2」は、練習を重ねるうちにボールを思うところに打つ術を体得するのですが、「セルフ1」の指示が強いとそれに従います。

自分の内側にはすでに技術や能力が備わっているのですが、私たちはそれを発揮する機会を自ら失っていることがあるようです。


テニスのコーチである著者は、生徒に向けて体の動きなどの細かい指示を出すやり方で指導をしていましたが、生徒はなかなか上達しませんでした。

その後、指導方法を工夫し「ボールの縫い目だけをよく見てボールを打つように」と指示しました。
これは、生徒がボールに集中することで「セルフ1」に話をさせない作戦でした。
生徒は、すでに五感を使って体得しているテニスプレーができるようになります。
思うような身体の動きができていることに気づくのです。


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この本は、1974年に初版が発表されたもので、コーチングの原点ともいわれている本です。

当初スポーツの指導に役立てていた「インナーゲーム」の理屈は、人間の潜在能力を引き出すことができることに注目されてビジネスなどにも応用されたのでしょう。

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私はゴルフのレッスンに週に1度ほど通っています。
ゴルフは、かなり「インナーゲーム」の要素が強い(アレコレ理論で考える)スポーツだと思います。
ミスショットを打つと、だいたいの人は「あれっ?」って首をかしげたあとクラブをにぎにぎと握りなおしています。
私もまったく例外ではありません。
(;^ω^)

私のレッスンコーチは、こちらから聞かないと細かくは教えてくれない方です。
レッスンに通い始めた頃には物足りなく感じたのですが、生徒が常に「インナーゲーム」をしているものだから、先生はその様子をみながら指導の必要そうなタイミングを見極めて下さっているのかもしれません。
(*´ω`)

スポーツの上達やコーチングに興味のある方にはお勧めの本です。



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Haniko
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