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地方で小規模シュタイナー学校を立ち上げることについて
地方での教育の選択肢がもっと欲しいと思われている方は、日本全国にたくさんいらっしゃると思います。もちろん、それぞれの方がそれぞれの教育観をお持ちだと思うので、「学校はこうあるべき」「教員はこうあるべき」「学校づくりはこうあるべき」なんてものはさまざまだと思いますし、それでいいのだと思います。
ただ、この『べき』っていう強制は偉そうで嫌ですね。教育を考えるときには、まずこの『べき』を捨てたほうがいいと思いますね。大事なことは、教育の選択肢が増えることだと私は思っています。
さて、私の勤めている学校はいちおう「シュタイナー学校」というカテゴリーに入ると思います。名前にも「シュタイナー」付けてますしね(笑)。地方で、それも小規模で学校立ち上げる時にまず必要なことは、「シュタイナー学校」とか、さらには「学校」という固定概念から自由になっていくということだと思います。そういった固定概念が現場の足をとにかく引っ張ります。
おかしな例かもしれないですが、学校づくりってお母さんが冷蔵庫の中の余り物で創作料理作るのに似ています。つまり、贅沢を言えない限られた状況の中で、いかに無理なく美味しくつくるかです。
先ほど、地方で教育の選択肢を広げたいという人は、たくさんいるだろうと言いました。しかし、自分自身もリスクを背負ってそこに参加したいという方は実はそんなにたくさんいません。
ですから、「シュタイナーやります」「学校作ります」なんて言っても、初めはそれほど人が集まりません。しかし、そういうものを切実に求める少数の方は、やはり確実にいらっしゃるんです。
私の勤めている学校は、いわゆる同年齢単式クラスによるシュタイナー教育ではなく、異年齢の複式学級で運営しています。複式学級ってわかりますよね?例えば1年生と2年生と3年生が同じ教室でお勉強してたりする、公立なんかだと山間部などの過疎地によく見られる形式です。
立ち上げの時には、この複式学級のデザインを考えるのが重要になると思います。でないと経済的にも、子どもの教育においても、なかなかまわっていきません。
ただ、いわゆるシュタイナー教育のカリキュラム、デザインというのは同年齢の単式学級用にできています。これを立ち上げの段階で使うのはちょっと無理があるんです。「私には無理だー。とてもできないー。」ってなっちゃうんです。ですから、簡略化、ディテールの断捨離、コンセプトを大きく掴むなんてことが必要になってきます。
「そんな簡略化までしてやることなの?それってシュタイナーなの?意味あるの?」なんて声があるかもしれませんが、私は『意味はある』と思っています。