塚田浩幸/Hiroyuki Tsukada
いつ博士論文出せるかなあ。。。とりあえず近世アメリカ史(先住民関係)の既存の研究文献の信用できない状態をみて勉強のための読書ノートをつくり始めました。対面や論文で言うのは野暮だが、何も指摘しないのも学術に真摯でないと思い。なお、記事は語句レベルの修正・改善はする場合があります。
最近の記事
『改革が作ったアメリカ』森丈夫の章のファクトチェック(5)多義語の誤謬、コロニアリズム万歳ー1646年条約と1677年条約の比較ー
森によれば、1646年条約(1644~46年の戦争の和平条約)では、パウハタン王国の首長ネコトワンスのイングランド王への臣従、連合諸国家の貢納支払い、武装放棄、領土割譲、イングランド国王総督がパウハタン王の後継者の指名をする規定などが定められ、パウハタンの国家としての自立性を大きくはく奪する関係が成立した(47頁)。一方、1677年条約(ベーコンの反乱後のミドルプランテーション条約)では本国政府の方針で、先住民の領土への植民者の進入禁止など、1646年条約を上回る保護を与えた
オススメ大学英語教科書(2)Winning Presentations: Eight Types of Successful Presentation(成美堂、2018年)
授業でプレゼンテーションをしようと言っても、仮にテーマは決まっていたとしても、それをどうまとめればよいのか、つまり、原稿をどう組み立てればよいのかという段階でつまずいてしまったりする。しかし、この教科書を使えば、そのような悩みにさいなまれることはない。報告型(informative presentations)として4つ、列挙型、分類型、プロセス型、調査型、さらに説得型・提案型(persuasive presentations)として4つ、説得型、問題解決型、原因結果型、比較
ナチスのしたことに良い面はあったー小野寺拓也、田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波書店、2023年)
哲学、論理学、クリティカル・シンキング系の内容の授業の準備をしていて、ひょんなことからこの本に出会ってぱらぱらと読んでみた。私はナチスの専門家ではないのであまり首を突っ込むつもりはない。ただ、この本の著者の使用する言葉と議論の整理が巧みに思えたので、そこを糸口にこの著書の意義を確認したい。このノートのタイトルはそれに絡めて裏返して意味内容をわかりやすく表したにすぎず、ナチスを肯定的にとらえたいわけではないので誤解しないでほしい。 「物事にはつねに良い面と悪い面があるのだから