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『教育は国の根幹』生涯を通じてスポーツ・文化を楽しみ、豊かな人生を送るための部活の地域移行

「子どもが小中学生だ」という方。
「部活の地域移行って何?」という方。
長文ですが、どうぞご覧下さい。

私が所属している総務文教常任委員会にて、6月と9月議会で部活の地域移行について議論されました。(6月議会では条例改正、9月議会では9月から本格的に開始した結果について)

教員不足による働き方改革と少子化によって特に団体スポーツが成り立たなくなっている事を受け、この9月から月に1回、週末の部活を地域で担う事となりました。
来年度は月2回、再来年度は月3回、3年後には週末の全ての部活が地域で行う事となりますし、最終的には平日の部活も行わず、「部活」というものを無くしていく事も検討しています。

佐渡市の中学校に通う生徒、約1,170名の内、ほとんどが何かしらの部活に所属していますが(名前だけの生徒も)、約1割である104名の生徒が、この9月から参加しています。(逆に言うと、9割以上が参加していません)

先日、ハンマー投げの金メダリストでスポーツ庁長官の室伏広治さんがテレビで部活の地域移行についてお話されていました。

「日曜日の初耳学」
スポーツ庁長官・室伏広治の熱血授業 絶えまない努力と研究で、41歳まで現役を続けたトレーニングのプロでもある室伏が、簡単にできる「健康になるトレーニング」を伝授!

※TVer視聴は令和5年10月8日まで


日本は学校を卒業すると2割位しかスポーツをしないので、健康寿命を考えると、中学の時から「地域でスポーツを楽しむ環境」を作る必要がある。と仰っていました。
また、「佐渡市地域クラブ活動についての基本目標」の「目指す生徒の姿」にも
・体を動かすことや文化に触れることに喜びを感じ、生涯を通じてスポーツや文化活動を楽しむ。
・スポーツや文化活動にたずさわる指導者や友達、異年齢の人と関わる活動を通して、好ましい人間関係を築く。
と、室伏スポーツ庁長官の言っている通りの事が書いてあります。

スポーツや文化を通じて、心も体も豊かになり、人生100年時代の中、健康寿命も延伸できるような地域の体制を作ることが、今回の「部活の地域移行」の大きなポイントであり、日本社会が良い方向に進むためのターニングポイントとなる出来事なのです。

しかし、生徒・保護者、地域の指導者に配布された書類には、そのような内容の記述は一応ありますが、私が参加した説明会でも、先生の働き方改革や、生徒が減少し、やりたい部活を継続出来るように週末の部活動を地域の方に担って貰うという事がメインになってしまっていますし、ほとんどの生徒・保護者、地域の指導者もそのような認識で進んでいます。(佐渡市だけでなく、全国的な傾向です)
※佐渡市は能楽や鬼太鼓、文弥人形など、佐渡の芸能や華道、茶道など文化的な内容もあるため、他の自治体と比較しても頑張っています。


「(通う中学校とは違う会場の場合も多いため)送り迎えや交通費はどうなるのか」「(特に地方には)毎週土曜日に指導に行ける指導者がいない」「(有料となるので)生活が苦しい家庭は通わせられない」等、この制度に大きな課題があり、全国的にどの自治体も混乱しています。
最終的には学校で部活は行わず、全て地域で担う方向性になっています。
現に新潟県内の魚沼市では2025年度から平日の部活も地域移行する予定だとの報道もあります。

最近の佐渡市においては、スポーツのみならず、文化活動においても全国大会へ出場する子供たちも増えています。しかし、スポーツや文化などに関わらない子供の割合も増えており、二極化しています。(親の収入や家庭環境とも関係しているというデータもあります)

「親が低年収だと、子は学力だけでなく運動能力も低くなる」最新研究でわかった残酷な現実



都会よりも世帯収入が低い家庭が多い佐渡において、部活の地域移行を他自治体と同じ対応で良いのか。
スポーツが好きで得意な子ども達だけが「部活の地域移行」に参加すれば良いのか。。

そこで、委員会で教育委員会と議論をしている際に2つお願いをしました。

・生徒や保護者、地域の指導者の皆さんに「目指す生徒の姿」「目指す日本社会の姿」を何度も伝え、理解して貰って欲しい。
・「強くなりたい・うまくなりたい」種目は多く用意されており、そのような生徒は参加されているようですが、特別支援学校に通う生徒や体力に自信が無い生徒、平日の部活をやっていない生徒にこそ、参加したいと思えるような、レクリエーション的なものも用意して欲しい。そのような生徒の参加率が、この事業の指標となる。
とお伝えしました。

活発な子供達の多くは既に「目指す生徒の姿」を達成されていますので、そうではない子供たちを、どのように「目指す生徒の姿」に近づけるのか。が重要だと思います。

後で思ったのですが、
「目指す生徒の姿」という目標を達成する為に、週末は生涯を通じて必要なトレーニングであるストレッチや体幹トレーニング、マインドフルネス、ヨガ、座禅など、スポーツが不得意な生徒は勿論、スポーツが得意な生徒に対しても有効なものを用意し、基本的には全員参加して貰う。という取組みを行えば良いのではないかと考えました。


しかし、元をたどれば、「日本は破綻する」と言い続け、政府の緊縮財政を続けてきたことが、少子化や教員不足を招いていますが、少子化は国が積極財政・消費税廃止し、景気を良くし、子育て支援を充実させれば良いだけですし、教員不足は教育予算を増やし、教員の待遇を良くし、採用数を増やせば解決する話なのです。
また、どうしても学校の部活を無くして、学校を卒業するとスポーツをやらなくなることを解消したいのであれば、各地のスポーツ協会や民間のスポーツクラブに予算を付けて、上記の取組みを担って貰えば良いのだと思います。

「教育は国の根幹」
これを忘れてしまえば、大袈裟かもしれませんが、これからの子ども達は不幸になり、日本は滅びてしまうと思います。
普通に考えれば、「当たり前の話」なのですが、国の方針は地方自治体に、全国民に(良いも悪いも)大きな影響があります。
なので、積極財政を推進する地方議員連盟の活動を通じて、教育予算を増やすための取組みを行ない、国に対しても声をあげているのです。
「地方議員は地方の事だけやっていればいい。」は間違いだとお分かりいただけたのではないでしょうか。

【※追記】

私の担当委員会で
「部活の地域移行の目的・目標を関係者の皆さんにお伝えし、理解して貰って欲しい 」
とお願いしておりましたが、その内容が10月10日に全戸配布される「佐渡市地域クラブ活動だより」に記載されました。

佐渡市地域クラブ活動だより 第1号

https://www.city.sado.niigata.jp/uploaded/attachment/40963.pdf


佐渡の子ども達が、心身ともに豊かに生活できるような佐渡にしていきたいと思います。

【※再度追記】

実は、スポーツや文化活動以外に「佐渡探究」とい活動があります。

内容としては、「佐渡自然共生科学センター臨海実験所に行き、佐渡の海洋生物について探求する」というものです。

応募者が誰もいなかった為、活動はされていませんが、ここに「地域探究活動=マイプロジェクト」を入れれば良いのではないかと考えます。

私が市議会議員になった理由の一つとして、「キャリア教育」があります。

佐渡の子ども達が進学等で佐渡から出たとしても、将来、佐渡で生活したいと思って貰うためには、佐渡の中高生に「佐渡の事を知ること」や「佐渡の企業を知ること」「佐渡の大人を知ること」が必要だと思い、キャリア教育活動を行なっていました。(多分、佐渡市がキャリア教育活動を行う前から、私が所属していた佐渡青年会議所の中で活動していました)
その活動が「佐渡マイプロジェクト」につながっていますので、この活動を担う人材もいますので、「地域探究活動」も部活の地域移行の中に入れて欲しいと思っています。

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