「弁証法的行動療法⑨最終回」嗜癖(シヘキ)の断念を求められる、複雑性PTSD/ボーダーライン・パーソナリティー症
長年にわたり、苦痛を緩和してきた方法を
断念するしかない時がきます。
アルコール・自傷行為・無防備な性行為・
愛する人や家族への八つ当たり・・・
変化は本人にとって大きな「苦痛」です。
変化しても苦痛、しなくても苦痛です。
複雑性PTSD/ボーダーライン・パーソナリティー症の、
強烈な感情のあり方は、重度の火傷に例えられます。
自分の行動によって激痛を生むのに加え、
他人の行動によっても激痛の原因になり、いつまでも続きます。
重度の火傷患者の問題は、治療こそが最大の激痛となります。
トラウマ的体験で傷ついているにもかかわらず、
さらに傷つく体験をしなければ、治療の効果がありません。
そしてそれは、長期の痛みを引き起こします。
治療をリタイヤする原因にもなります。
そんな時に、家族の心無い言葉を聞かされたらどうでしょうか?
「甘えている」「怠けている」
引くこともできず、進むこともできません。
本人は頑張っている証明など持ち合わせていません。
弁証法的行動療法は、時間が掛かります。
1年後かもしれませんし、10年後かもしれません。
とにかく「長旅」ですが、
その時々で見える景色は違ってくると思います。
弁証法的行動療法は今回で終わります。
お読みいただきありがとうございました。