「スキーマ療法⑦情緒的剥奪」を複雑性PTSD/ボーダーライン・パーソナリティー症の目線から説明してみた
18種類のスキーマの2つ目は、
「情緒的剥奪(はくだつ)スキーマです。
情緒的とは、喜怒哀楽の感情を折にふれて起こさせること。
剥奪とは、無理にうばうこと、とりあげること。
このスキーマを獲得してしまった原因は、
・満たされなかった感情欲求がある
・安全な触れ合いが無い
・不安定、または虐待的な家庭
・冷淡、または拒絶的な親
・外の世界からの孤立
そして特徴として、
・本人が気がついていない場合が多い。
・孤立感、苦痛、抑うつ等に苦しむ。
・他者から情緒的な温かさや愛情を与えられた経験がない。
・他者に対して大切にしてもらったり、
理解してもらおうとなどと期待しない。
・自分は誰からも理解されず、孤独で空虚であると考えている。
・自分が透明人間のように感じることがある。
このスキーマを持つ人には3つのタイプがあります。
⑴健全な養育を受ける機会が無かった場合。
自分を支え、愛し、世話をしてくれる人はいないという信念を持つ
⑵健全な共感の経験が無かった場合。
自分の話を聞いて、理解をしてくれる人はいないという信念を持つ
⑶安心安全な保護をされなかった場合。
自分を守り導いてくれる人は居ないという信念を持つ
考え方や行動の特徴は、
・自分に興味がない、信用できない相手ばかりをパートナーに選んでしまう
・他人は何も与えてくれないと、信じ込んでいる為親密にならない
・他者に欲求を伝えることをしない
・相手の話ばかり聞いて、自分のことは話さない
・自分の欲求が通らない時に、癇癪(かんしゃく)を起こす
・他者を不当に扱ったり、利用したりする
このタイプの治療目標は、
・自分に生じた感情欲求に気づけるようになる
・その感情欲求が、ごく自然で妥当だと認識できる
・子供は養育されて、共感されて、保護される必要があるし、
大人になってからも必要だと理解する
・適切なパートナーを選び、感情欲求を伝えられるようになる
・自分の振る舞いが適切な関わりの、
邪魔になっていたかもしれないと考えてみる
以上になるのですが、とても孤独な人物像が浮かんできます。
この世界観の中でしか生きてこなかったとしたら、
辛く寂しい人生になると思います。
まるで冬山に一人登り続けるようなイメージです。
スキーマの為、ネガティブな思考が組み込まれているので、
「認知の歪み」がないかどうか疑問を持ち続けることが大事だそうです。
お読みいただきありがとうございました。