ジャバケ
ウチには代々伝わる謎メニュー「ジャバケ」がある。いまだかつて「ジャバケ」を知る人と出会ったことがないし、いくら検索しても、文献を漁っても謎は深まるばかりだ。遊び人だった祖父が鉄砲撃ち仲間の外国人から習ったのでは?とか仮説はあるが、昔のことすぎてもうわからない。具材的にはトマト以外は浅草あたりのチャプスイに似ているが、このチャプスイなるものを知る人も少ないのかもしれない。チャプスイの「チャプ」は本牧チャブ屋の「チャブ」につながる気もするが、これもマニアックな話かな…。
とにかくジャバケというのは簡単な料理だ。まずニンニクとタマネギと豚バラを炒め、その上にヘタをとったトマトを丸ごとギュウギュウに入れる。トマトが足りない時は缶詰めを使っても良い。そして蓋をしたらしばしの暇を楽しむ。グツグツ煮えてきたら適当にトマトを潰しつつ、コンソメ、塩、黒胡椒を入れる。気分でナツメグを入れたりもする。仕上げに溶き卵1個か2個分回し掛けて出来上がり。これを白飯に乗せてわしゃわしゃ食べる。チーズ、タバスコ、ウスターソースをかけてもよく合う。
わたしはジャバケなしでは生きられない体なので事あるごとに作る。熟れすぎたトマトなどもらったらホクホクだ。娘っ子の彼氏にも食べさせたらハマってくれたので作り方を伝授した。こうやって謎料理が謎のまま受け継がれて行くのはちょっと面白い。
子供時代は当たり前のものと思って食べていたジャバケ。実は他のお宅でもその家だけのへんなメニューがあるんじゃないかと疑っている。それにしてもジャバケって何語なのだろう。おそらく一生解けない謎だ。