過去ではなく、今を生きる
今日のおすすめの一冊は、矢作直樹氏の『悩まない生き方』(知的生き方文庫)です。その中から「今を楽しむ」という題でブログを書きました。
本書の中に「過去ではなく、今を生きる」という心に響く一節がありました。
未来はいかようにも作れるものであり、過去はいかようにも変えられるものです。どの時点からでもスタートできます。年齢やキャリアや性別などにとらわれることはありません。 大切なのは、今この瞬間です。古神道で言うところの「中今(なかいま)」です。
ずっと変えることができなかった考え、価値観、思い、そういうものは今この瞬間、自分が違う視点を持つことで変えられます。固着していたイメージでさえも 「これまでの自分は捨てる」と決めれば、その瞬間に新しいイメージを自在に作ることができます。
私たちは何者でもありません。 そして同時に、何者にでもなれます。 何かで悩んでいる時は、自分に限界を作っている状態です。勝手に足枷をはめて、やる気に制限をかけているだけです。だから気持ちに巣食っている制限を外せばいいのです。
失敗したらどうしよう、うまくいかなければ恥ずかしい、そんな制限、つまり負の感情は必要でしょうか?
私たちが転生を繰り返しているのは、さまざまな人生のエピソードを体験するためです。失敗しても、恥ずかしい思いをしてもいいではありませんか。今そこで躊躇している経験は、二度とできません。似たようなエピソードが以前に登場していたとしても、中身が違います。実は貴重な経験なのです。
そのためには自分が動かなければなりません。自分を経営するのは自分だけ。周囲に相談することは自由ですが、最終決定権を持つのは自分です。今を辛抱すれば、とか、今だけ我慢、という言葉が日本人は好きですが、今を犠牲にすることはありません。
山本常朝(鍋島藩士、『葉隠』の口述者)の言葉で「武士道とは死ぬこととみつけたり」というのがあります。この言葉に始まる常朝の伝えたいことは、生活のすべてに対して心がまえをする、普段からすべてを受け入れる姿勢を持つ、ということです。
病気で急に死ぬかもしれない、戦が始まるかもしれない、家族に何かあるかもしれない、そういう不測の事態に動揺しないための「道」です。これも今を大事にすることにつながります。
この言葉をより現代的に言えば、仕事でも家庭でも、友人関係でも趣味でも、今を一生懸命に生きよう、ということです。努力して未来に備えたり、蓄財したりすることも大切かもしれませんが、努力そのものを楽しめばいい、ということです。 努力は自己犠牲の上に成り立つもの、努力は苦しいもの、そういう考え方は今すぐ捨てればいいのです。
有名な精神科医のスマイリー・プラントン医学博士は、治療室にテープレコーダーを置いて、希望喪失やフラストレーションに苦しんでいる患者の悩みを吹き込んだそうです。(人生が驚くほど逆転する思考法/三笠書房)より
その中に、くり返し出てくる重要な言葉があったといいます。その言葉とは「もし」。自分が不幸だと思っている人は、過去の失敗や、人間関係のつまずき、不幸な出来事をふり返っては、そのたびに「もし」をくり返すといいます。
「もし、もっと賢明な決断を下していたら…」「もし、別の方法でやっていれば…」「もし…」、「もし…」と永遠に「もし」が続くのである。
人生において、「もし」はありません。過去の事実を変えることはできないからです。しかし、考え方によって、見方は変えることはできます。「あのとき病気で入院したことが、今の自分のやさしさや強さのもとになっている」というように、病気や入院という事実は変えることはできませんが、考え方や見方を変えることはできるのです。
過去を「もし」と言って悔やんでばかりいたら、人生はネガティブで暗い人生となってしまいます。逆に、過去のことをすべて「おかげさま」と感謝の気持ちで生きることができたら、人生は明るく希望にみちたものとなります。
過去ではなく、今を大事に生きることができる人でありたいと思います。
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