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メンタルの問題をメンタルで解決しようとしない
今日のおすすめの一冊は、小林弘幸氏の『リセットの習慣』(日経ビジネス人文庫)です。その中から「未来を楽しみにすること」という題でブログを書きました。
本書の中に「メンタルの問題をメンタルで解決しようとしない」という心に響く文章がありました。
私はいつも「メンタルの問題をメンタルで解決しようとしない」と言い続けています。気分が落ち込んだとき、イライラするとき、モヤモヤしているとき、そうしたメ ンタルの問題を気持ちでなんとかしようとしてもほとんどうまくいきません。
そういうときこそ体へのアプローチです。 基本は動くこと。ここでおすすめするのはスキップです。 これはもう確実に効果があります。落ち込んだり、イライラしているときは外へ出て、スキップをしてみてください。
職場の廊下でできる人は(人目はさすがに気にな るでしょうが)、軽快にスキップしてみましょう。 スキップをしながら落ち込んだり、イライラできる人はいません。心と体はつながっていて、心が落ち込んでいると体の状態も悪くなりますが、反対に、体が元気よく、活動的な動きをしていれば、心もそれに引っ張られます。
実際には、自律神経が整って、血流がよくなり、脳が正常に機能し始め、感情や思考のコントロールができるようになってくるわけです。
それとまったく同じ構造なのが「ほほえみ」です。 「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しくなる」との言葉がありますが、自律神経の研究からいっても、これは事実です。
笑顔でいると副交感神経が上がり、気持ちがリラックスできたり、前向きになったりしていくことは立証されています。「心からの笑顔」でなくても、口角を引き上げるだけでも同等の効果があることはわかっています。
無理矢理でも、気持ちが入っていなくても、とにかく口角を上げて、ほほえんでください。気持ちは後からついてきます。 年齢を重ねるごとに「明るく、陽気になる人」と「気むずかしくなる人」がいますが、医師の立場から見て、健康を維持できるのは紛れもなく前者です。
とかく我々は、メンタルの問題をメンタルで解決しようとしてしまう。しかし、そうではなく、身体へのアプローチが有効だという。気持ちが明るくなる動作は、たとえば「上を向く」というものがある。サッカーや野球の試合などで負けたとき、選手が下を向いて帰ってくるときがある。下を向けば、気持ちも落ち込んでしまう。
他には「背筋を伸ばす(気持ちがシャンとする)」「あたたかいものを持つ(あたたかい気持ちになる)」「大声を出す(元気が出る)」「かわいいものを眺める(子犬とか子猫の動画を見る)」等々。
メンタルの問題は身体へのアプローチをする、ということを覚えておきたい。
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