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努力の本質
今日のおすすめの一冊は、上坂徹氏の『人生で一番大切なのに誰も教えてくれない 幸せになる技術』(きずな出版)です。その中から「ゴールのその先」という題でブログを書きました。
本書の中に『努力の本質』という心に響く文章がありました。
実は、私は「書く仕事は好きではない」。では、なぜ私は今も書く仕事をし続けているのか。月1冊の本を書き、たくさんの取材をして記事を書き、今なお求人領域の仕事をする。毎月、たくさんの仕事を抱えているが、とても充実している。
書く仕事の「本質」は違うところにあると思っているからである。それが私にとても合っていたからだ。私の今の仕事の「本質」を端的に言えば「カオスの整理」である。
例えば雑誌に掲載する求人広告を作るとする。私がまずやることは、クライアント企業の情報を集めることだ。多くの会社がウェブサイトを持っていたり、パンフレットを作っている。その企業について取り上げた新聞や雑誌の記事。また、社長にインタビューさせてもらうこともある。
これだけたくさんの情報を集めるが、広告としてのアウトプットは少ない。せいぜい500文字、大きなスペースの広告でも1000文字程度だ。500文字というと本では13行分くらいしかない。すべてを文字にできないから、どの情報をチョイスし、どの情報をカットするのかを問われる。
私はこれを、「カオスの整理」と呼んでいる。記事や書籍も同じだが、これこそまさに、私の大好きなことだったのである。「書くこと」ではなく「整理していく」ことが楽しかったのである。
もうひとつ、この仕事が自分に合っていた理由がある。それは私が「教えたがり」なことだ。面白い情報があると、人に教えたくなるのである。これは記事を書いたり、本を作る人には必須の本質だと思う。これを持っている人には、取材をして書いて多くの人に伝えることは、極めて楽しい仕事になる。
その仕事の持つ「本質」的なものは何か。根源的には、どういうものなのか。そして、自分はどういう本質を望むのか。どういうことをしているときに心地いいと思うのか。まずは振り返ってみるといい。それは、夢中になれる仕事のヒントだ。
◆個人的に、読書ブログを毎日続けて書いていて、今年で15年になる。本も、年間では400冊以上は読んでいる。多くの人からすごい努力だとか、継続力が半端ないですね、などと言われる。しかし、自分としては努力しているつもりはまったくない。
しかも、そんなに、読書が好きでもないし、書くことも好きではない。どうしてなのか、自分でもわからなかったが、上坂徹氏のこの一文を読んで、なるほど、とストンと腑に落ちた。
そうなのだ、何年も継続できた本質は他にあったのだ、と。私も、本の中からグッとくる「一行(数行)」を見つけるのが好きだったことを。そして、それを「伝える」のが好きなのだということに気づいた。
SNSでは、私がグッときた「文章」に、多くの人たちが反応してくれる。ときには、称賛も共感もあり、それが自分には楽しくて仕方ない。そして、気がついてみたら、たくさんの「心に響く言葉たち」の収集家になっていた。
言葉一つで人の心をあたたかくもできるし、冷やすこともできる。勇気と元気がわいてくることもあれば、がっかりして元気がなくなることもある。
だからこそ、人の心をほっこりさせる「心に響く言葉の収集家」でありたい、と切に思うのだ。
「努力の本質」という言葉を胸に刻みたい。
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