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元外資系コンサルが5,000枚のスライドを見て気付いた良いプレゼンの特徴 | #2 Go Analog - パワポ作成が速い人はパワポを開く前に時間をかける
今回は最終成果物としてのプレゼンではなく、プレゼンの準備に少し焦点を当てたいと思います。Power Point(パワポ)の作成に時間がかかるという悩みがある方におススメです。
質問:プレゼンが迫っています。まず何をしますか?
この答えは、おそらく状況によって異なると思います。例えば、一人で準備する場合とチームで準備する場合、社内でのプレゼンと顧客向けのセールスピッチではおそらく準備の仕方は異なるでしょう。
しかし一般的には、プレゼンの目的を確認する、出席者を確認する、キーメッセージとそのストーリーを設計する等、パワポを開く前にまずは作戦を立てるという方が多いのではないでしょうか?実際、私もそうです。
おそらくここまでは多くの人がやっていることです。しかし今まで一緒に働いきたパワポの達人を観察していると、パワポ作成が速い人はこの準備のレベルが格段に細かいことに気が付きました。
ポイント①:パワポを開く前にデザインを固める
前職のコンサル時代、「Go Analog」という言葉がありました。これは、いきなりパワポ(デジタル)を開くのではなく、まずは紙(アナログ)でデザインしなさいということです。
今はどうかわかりませんが、私が以前働いていたコンサルのオフィスの備品室には、大量の5mm方眼用紙(薄いマス目が5mm単位で入っている以下の紙)が置かれ、それがものすごいスピードで消費されていました。
これは私の感覚ですが、10枚1組のパワポをデザインするために、3~5倍(30~50枚)の紙を使っていたような気がします(今思うと全然エコではないですね・・・)。何に使うかというと、パワポに向かう前の下書きです。
デジタルというのは「0,1」の世界です。本職のデザイナーやアニメーターが使うようなプロ仕様のソフトウエアでない限り、自分で表現したいデザインをストレスなくパワポに表現するのは至難の業です。多くの人が、自分が使いたい形はどこにあるのか、どのように加工すればいいのかといったストレスを抱えながら、パワポ上で「あーでもない」「こーでもない」と答えがないデザインをいじくり倒します。これが最も時間を食うのです。
その点、紙×手書きは最強のコンビです。パワポの制約を一旦無視してあるべきデザインに集中することができます。一旦紙で書いたものをパワポに移す必要があるため、一見手間があるように思うかもしれませんが、私の経験上、初めからパワポ上でデザインを始めるよりも一旦紙でデザインを固める方が何倍も速く作業が終わります。
ポイント②:パワポを開く前に文言も固める
パワポを開く前にやるべきことは、デザインだけではありません。前回投稿で紹介した通りスライドの原則は「Less is more」ですが、多くの場合一定の文字情報も記載します。
デザイン同様、この文字情報もいきなりパワポに書き始めずに、紙もしくはWordなどで始めのスライドから最後のスライドまでの全体ストーリーを一旦書き切り、一貫性をしっかり確認してから転記することをお勧めします。
パワポはその性質上、どうしてもスライド単位で作り込むという作業になってしまいますので、作業を進める中で気付いたらスライド間の整合が失われ、一度完成させたはずの序盤のスライドも再度見直さなければならないということになりかねません。
また一つの提案資料をメンバーで役割分担して作成する場合は、こういったスライド間の不整合が発生し手戻りの原因になることも多々あります。こういった協業も多かった前職の時は、デザインと文字情報(スライドタイトル、トップ/ボトムメッセージ)をまず紙でまとめ(1スライドにつき1枚の紙)、机に全スライドを並べ、全ての流れを確認してから手分けしてパワポに起こすというやり方を取っていました。
スライド作成も「急がば回れ」ですね。急いでいる時程パワポを開く前の準備を念入りにするのがおススメです。
まとめ
まずは紙やPPT以外の自由に表現ができるツールを使ってスライドデザイン、メッセージ、ストーリーの作成を全て終わらせ、後はパワポに起こすだけとなったタイミングで初めてパワポを開きましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
もし宜しければ次の記事(元外資系コンサルが5,000枚のスライドを見て気付いた良いプレゼンの特徴 | #3 「割れせん」から学ぶ確証バイアスの対処法)もご一読ください。