見出し画像

リモートワーク マネジメント Vol.4


今回は、レポーティングについてです。
ここでのレポーティングは、社員→マネージャー→エグゼクティブ→ CEO→取締役会へとつながる業務上でオフィシャルで共有されるべき情報を言語化したレポートのやりとりのことと定義します。

テレワークでは、社員の日常の業務が見えないので、オフィシャルなドキュメントベースの情報を正として共有する体制が、マネジメントや意思決定をする際の重要な要素になります。

テレワークへと体制を移行する際に、一番見直して欲しい重要タスク設定だと思います。

自分→上司へのレポートから考える

まずは、自分がマネージャーとの立場として、上司にするレポートは、どういうレポートが一番効果的か?から考えます。
もちろん、上司や定期報告などですでにしなければならないレポートはすでにあると思います。その内容を含めて、どのような情報を求めているのか、それがどんどん上位者に渡っていった場合、何を報告するべきか?を考えると自ずと自分の立場からレポートするべき「項目」が見えてくると思います。もちろんレポートする上司とよく話し合うこともいいでしょうし、実施しながら改善していくことも大事です。

リアリティを伝える

定期的なレポートは、ファクトベースで定量的な数値データで客観性が大事なのは前提としてですが、私は、立場が上がっていくにしたがって一番知りたかったことは、現場のリアリティでした。
だんだん現場から離れていく立場になるので、実際の現場感覚はどうしても不足してきます。かといって直接現場の社員に直接ヒアリングしても、短時間で本音を聞き出すことなどほぼ無理です。

「上司が現場をわかってない」とストレス満載のマネージャーをよく見かけますが、そもそも、上司に現場を伝えてないのは当の本人です。

日本全国十数箇所のオペレーションを統括していた時につくづく感じたのは、全体のパフォーマンスや効率を改善するということを考えるにしても、結局は、現場の最前線で手を動かしている社員、その人自身がどうなれば、よりパフォーマンスがあがるか?とか効率的になるか?とかいうことを考えるわけです。一度も会ったこともない人たちを対象にです。
頼れるものは、レポートに書かれてある内容をもとに、現地のマネージャーにヒアリングするぐらいしかありませんがその時間も裂けないことがほとんどです。

そうするとテレワークは、この状況に近くなるのかなと思います。マネージャー自身も日常会うことがなくなった社員に対して、しっかり現場感を把握するためには、一体どういうレポートを提出してもらえればいいのか?という部分に焦点を当てて部下からもあるレポートのフォーマットを作ってあげることが大事だと思います。自由に書かせても絶対無理ですね。

レポートを活用する to 上司

日本の組織は階級構造の文化のため、どれだけフラットな会社をめざしても、無意識のうちに上司と部下で距離感が生まれてくるものです。
上記のように、組織の上に行けばいくほど、現場の情報はレポートに書かれた情報に依存しがちになります。また、日本は、「行間を読む」文化です。優秀な上司になればなるほど、書かれてあるレポートの行間からプラスアルファの情報を読み取る能力があるものです。

であれば、逆にこの状況を利用するのです。
どのように「書けば」どう伝えることができるかを考えて、「行間」まで含めて日本語での表現を考えるのです。
自分の意図した方向に、上の組織をコントロールできるとしたら、これほどマネジメントがやりやすくなることはないですよね。レポートだけで。

これは、上司との距離が遠くなればなるほど効果的ですね。ということは、テレワーク向きですね(まあ、できる上司は、そこもお見通しだったりしますが...)。

レポートを活用する to 部下

自分が上司へレポートした内容を時には、部下にフィードバックしていました。
「上にこういう報告したよ」とか「この部分に部長が食いついてたよ」とかを部下に対してフィードバックすることで、モチベーションアップにつなげたり、ときにはガバナンスを効かせるためのツールとして使えました。

そうすることで、部下もレポートをしっかりすることが自分にとってもメリットあるなぁとか、自分のレポートの重みみたいなものを感じたりするようです。

その他のメリット

レポート作成に裂く時間てきなコストがかかることを除いて、レポーティングにはメリットが多くあると思います。一般的なレポーティングのメリットに追加して私が思うテレワークでのレポーティングのメリットを記載します。

・部下の定期的な振り返りのサイクルになる。
レポート提出を週1にすると月に4回程度、10日にすると月に3回程度、部下は振り返りをする時間をとることになります。PDCAサイクルなどの振り返りの仕組みと合わせて使うと、部下のトレーニングツールとして言語化してリモートで行えるというメリットがあります。

・One on One の時間短縮になる
テレワーク導入と同時に、One on One ミーティングをセットで行うところも多いでしょう。レポートを事前に提出してもらい、業務情報を事前に共有しておけば、One on One での本来の目的である「部下の育成のための時間」により多くの時間を使うことができます。

・アンオフィシャルを切り分ける
マネージャーとしての情報管理という側面でも利用することができます。
テレワークだとslackなどで日常からチャットベースの情報共有が進むでしょう。そうすると、ネットワーク化された情報伝達に方向性がなくなり、ぐちゃぐちゃになります。だれに何が共有されているのか?がわからなくなり、伝えているはずの情報が伝わってなかったり、間違った(古い)情報が伝わっていたりします。
レポート情報をオフィシャルな正の情報として共有することで、何が重要で、何が正規の情報なのかの統制をとることができるようになります。

BIへの手がかり

このようなレポーティングの仕組みがうまく社内で機能するようになった暁には、ぜひBI(ビジネスインテリジェンス)の導入を検討して欲しいです。大きな組織になればなるほど、レポーティングを中心とする社内外での情報ガバナンスが企業の組織上での競争力を高める重要な手段です。
テレワークにおける組織マネジメントのマイルストーンとして欲しいです。


リモートワーク マネジメント タイトルページへ戻る

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?