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こんな見せ方は失礼だ!とラフを叩きつけられたお話し

子供の頃に、飼っていた猫が
死んでしまったことがあったんです。

その猫とは、いっつも一緒で、
寝る時もどんな時も一緒だったんです。

ところが、その猫が年老いた時に病気になり、
毛は抜け落ち、
とても弱ってしまったんです。

それから、
他にも猫がやってきて、
僕はその猫から遠ざかってしまいました。

そしてある日
道端で死んでしまっていたのを、
母から聞きショックを受けたのです。

後悔の念で、それ以降、
自分で生き物を飼うことが出来なくなりました。

絵本塾に通っていた時に、
そのエピソードを絵本にしようと思ったのです。


絵本塾の 前日の夜中に、
その時の 思いが こみ上げ、
泣きながら作った 一冊。
それを、当日、
講師の先生に 見ていただきました。

絵本塾には 20人ほどの 生徒がいましたが、
その静かで 緊張感漂う中、

「こんな見せ方は失礼だ!」

と、机に 投げつけられたのです。

頭の中はショックで 真っ白になりました。

そして、
その講師の

「あまい!」

とおっしゃった言葉を、

残りの 時間 ノートに 何度も
書き綴るしか なかったのです。

ただ、それは正しかったのです。


感情だけで 作った物は、
まだ「作品」ではなかったわけです。
それは、まだアイデアの 段階なのだという 事を、
おおよそ 理解するのに 多くの時間が 掛かりました。

アイデアは まだ作品ではないのだ という事です。

今は、その真剣に向き合っていただいた講師に感謝しかありません。
これがその時のラフです。

いつか「作品」にするからね!


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