「頑張る」生き方は長続きしない
こんにちは。ヒロキです。
僕は今、営業職についています。
今でこそ楽しんで仕事ができていますが、当時は数字のプレッシャー、上司のプレッシャー、訪問の恐怖、成功したいという焦りに日々追われていました。
営業職あるあるかと思うんですが、マネジメント手法として、「今歯を食いしばって頑張れば、お金がたくさん稼げて、たくさんいい思いができるぞ!」というメッセージを何度もぶつけられます。
僕自身も割と上昇志向の強い人間なので、心の片隅に疑問を感じながらも、入社当時は「とにかく毎日がむしゃらに働いて、数年後にはバリバリ稼げるようになるぞぉ!」と鼻息荒く活動していました。
そのおかげか初年度までは社内でもチヤホヤされるレベルで契約を取れました。表彰スピーチなども体験し、キツさと同時に楽しさも感じられていました。
が!僕は2年目に突入した頃から、全く頑張れなくなります。
突然の燃え尽き。お客様のところに足を運べなくなる
仕事も大体一巡し、ようやく営業の仕事が板についてきたタイミングで、燃え尽きました。
どれだけ自分に向けて檄を飛ばしても、行けないんです。お客様のところへ。
これは何かがおかしい。ちょっと立ち止まる必要があると感じた瞬間でした。
思い切って1週間ほど、全くお客様のところに足を運ばず、自分の思考や感情に向き合って、どんな問題が自分の中に生じているのか、深く内省しました。
その結果分かったこと。今の営業スタイルは、自分にとって全然楽しいものじゃなかったのです。
1年目の僕のスタイルは典型的な訪問量型セールスでした。とにかくお客様のところにガンガン訪問して、商品をアピールする。成約率の低さを量でカバーします。
訪問量型のセールスは、端的に言って嫌われます。
ちょうど検討時期だったお客様にとっては渡りに船ですが、それ以外のお客様からの反応はごく冷たいものです。1年目の死に物狂いな自分にとっては気にしている暇などありませんでしたが、お客様の迷惑そうな顔や声のトーンが、ボディブローのようにじわじわ効いていたんでしょうね。「もうこれ以上迷惑をかけられない!俺の仕事は社会に害をなしている!」という所まで自己批判が進んでしまっていました。
自分が仕事において「楽しい!」と思う要素はなんだ?
このままでは、自信を持ってお客様に自社製品を、自分を売り込めない!
そんなジリジリとした焦燥感の中で、自分の心と向き合う時間は続きます。
不思議なことに、その時の率直な気持ちとして、「やめたい…」という物はありませんでした。自分はある側面ではこの仕事を楽しんでいるという感覚があったのです。
だとしたら、その「楽しさ」とはなんだ?自分はこの仕事のどの瞬間に楽しみを見出しているんだ?
その答えは、「お客様自身が気付いていなかった問題を発見し、その解決策として自社商品を導入してもらうこと」でした。もう少し抽象化すると、「自分の知識を使って人に気づきを与えること」が僕にとっての楽しさだったんです。
思えば僕の人生で、得意かつ楽しめている事というのは、たいてい誰かに何かを教える事でした。
周りからも「よくそんなに深く理解できるね!」「説明がめちゃくちゃ分かりやすい!」と言ってもらえることが多かった。
これ、別に頭が切れるとかそういうことでは全くなく、人が通常気にしない所まで言語化したい!という自然な欲求に従った結果でしかないんです。
記憶をさらに幼少期まで遡ると、母親に「なんで?」と聞くことの多い子供でした。
母「あれは犬って言うんだよ。」
僕「なんで?」
母「偉い人がそう呼ぶって決めたんだよ。」
僕「なんで?」
母「お母さんも分からないよ。笑」
こんなやり取りをよくしていました。母が忙しい時もそんな調子なので、「もうなんで?は禁止ね!」と言われたことは数知れません。
常識でこうだから。と言う説明をされればされるほど、納得いくまで調べ尽くしたい!と言うのが僕の性質のようです。
幸せ=仕合わせ
いつ知ったか覚えていないんですが、幸せとは、仕(事を)合わせ(る)→仕合わせなんだ!と誰かが言っていたのはおそらく真理です。
その後、僕は会社の「1日に何件訪問しろ!提案書は何件印刷しろ!とにかく多件数多回数訪問して、お客様と関係性を作れ!新商品が出たら全員に案内しろ!」という方針をガン無視しています。
その代わりに、じっくりとお客様の情報を精査して、「この人が気づいていない問題点は何か?この人にどんな問いかけをすることで、その問題に自然に気づきを与えられるか?」という視点で仕事をするようになりました。
これ、よくあるビジネス書では、「その結果、むしろお客様から信頼され、どんどん紹介がもらえて、売上は10倍になりました!」的な話に持っていくと思うんですが、僕の場合普通に売上は落ちました。笑
リアルライフはそんなに単純なストーリーラインを描かないようです。
社内でも、「斎藤くん、どうしたの?最近調子が悪いんじゃない?悩んでいるの?」とお声がけいただくことが多くなりました。
僕は曖昧に「そうなんですよ、えへへ…」と答えつつ、心の中ではこう叫んでいます。
とんでもない!!今自分は最高に幸せで、持続可能なエネルギーで満ち溢れています!!
頑張ることに疲れた人へ
高度経済成長期のガンバリズムは、今の時代ではうまく機能しません。
今僕らが求めているのは時間を大量投入して生み出された品質の良い商品ではなく、心のこもったサービスや体験です。
そして、心をこめるにはまず自分の心が満たされてないといけません。
無理な頑張りを続けて心を擦り減らすことは、自分が辛いだけではなく、お客様をも不幸にします。現代のニーズからズレたアウトプットをお客様に提供することになるのですから。
今、一生懸命頑張っているのに、上手くいっている感覚が全然得られない方。
まずは一旦立ち止まってください。その方向に走り続けても、幸せにはなれない可能性が高いです。
本当の幸せはゴールテープの形で存在するのではなく、今この瞬間のプロセスの中に宿ります。
あなたの仕事の中に、「これなら楽しく追求できそうだ!」という領域を探して、それが見つかったら誰になんと言われようとそれを追求してください。
人生には頑張り時は必ずありますが、常には頑張らないこと。
サバンナという過酷な環境で暮らすライオンやチーターも、頑張るのは狩りの時だけ。普段は寝っ転がってます。普段寝っ転がっていないと、狩りに成功できないのですから、戦略的寝っ転がりなのです。笑
もし頑張らないことで不安になるなら、サバンナで寝っ転がるライオンを思い出しましょう。あなたは戦略的に頑張らない事を選ぶべきなんです!
まずは脱力して、自分の中から自然に溢れるエネルギーを特定します。そしてその持続可能なエネルギーを使ってじっくり進むこと。これを第一義に掲げることで、人生は今この瞬間から豊かになります。
あなたが、ありのままの自分を受け止めて、本当に楽しめる事を見つけられますように。
以上です!
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