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ビタミンDは肥満細胞の安定化に貢献する

背景と目的

肥満細胞はアレルギー性疾患およびその他多くの炎症性疾患における主要な効果細胞です。しかし、肥満細胞の安定化のメカニズムは完全には解明されていません。累積的な報告により、ビタミンD(VitD)が体内の恒常性に寄与することが示唆されています。本研究では、ビタミンDが肥満細胞の安定性を維持するために必要であるという仮説を検証しました。

方法

肥満細胞系であるHMC1細胞、RBL-2H3細胞、p815細胞、およびマウス骨髄由来肥満細胞(BMMC)の安定性を、ビタミンD3の存在下および欠如下で評価しました。

結果
ビタミンDが欠乏した環境では、肥満細胞が自動的に活性化しました。一方、培養環境でカルシトリオール(ビタミンD3の活性型)にさらすと、肥満細胞内のビタミンD受容体(VDR)の発現が増加しました。ビタミンD受容体は肥満細胞内でLynと複合体を形成し、LynがFcεRIのβ鎖およびMyD88に結合するのを阻害しました。これにより、Sykのリン酸化が減少し、MAPKおよびNF-κBのレベルが低下しました。また、ビタミンD受容体はTNF-αプロモーターに結合し、ヒストンH3/H4のアセチル化、RNAポリメラーゼII、およびTNF-αの転写因子であるOCT1のプロモーター部位での活性を抑制し、肥満細胞内のTNF-α発現を抑制しました。

結論

このデータは、ビタミンDが肥満細胞の安定性を維持するために必要であることを示しています。ビタミンDが欠乏すると、肥満細胞が活性化することが明らかになりました。

source

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/all.13110

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