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<詩> コーヒーカップ・プラネタリウム

ケトルの底に小さな泡がくるくるやってくる、泡たちの上にはゆらぎたち
指で触れるともう温かい
ああ次のが来た
ポップコーンのような泡の振動
ケトルの踏んばる音は水温よりやや先走る
コーヒーの香りも先走ってる
僕の舌も
いよいよになってきた
泡たちは駆け巡りもうやりたい放題
注ぎ口からは白い湯気が
パチッ!沸いたよ
嘘みたいに静まりかえった熱湯をカップに
そして牛乳をなみなみと
勢いよく注いだ流れを受けて
黒い粒がゆったり回転する、コーヒーカップ・プラネタリウム
黒い星座が静止してからようやく飲む
今日は星がよく見える
だからコーヒーはとても苦い

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