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【姿勢のキホン】"骨盤を立てる"を整理する

姿勢は大事と考えている人は多いと思います。見た目の印象も変わりますし、背中が伸びると心もシャキッとしたりもします。

ただ、姿勢と言っても、立つ姿勢、座る姿勢、寝る姿勢など様々ですし、その時の目的によって姿勢の良し悪しは変わってきます。

そこで、【姿勢のキホン】をシリーズでは、曖昧になりがちな姿勢について、ヨガと理学療法の視点を交えて解説していきます。

今回の記事では、"骨盤を立てるとはどういうこと?"を解説です。


骨盤を立てると何がいい?

まず最初に、骨盤を立てることで得られる効果を書いてみます。ここでは、瞑想などの座る姿勢を前提で書いています。

・背中を伸ばしやすくなる
・腰痛になりにくい
・覚醒して眠くなりにくい
・自律神経が整う
・腹筋や骨盤底筋など姿勢を保つ筋肉が働く
・内臓の働きが良くなる
 など

その他にも付随して生じる効果は沢山ありますから、骨盤は立てた方がいいというのはなんとなくわかると思います。でも、分かっていても、気づくと骨盤は傾いていることが多いですよね。その理由を考えてみたいと思います。


なぜ骨盤を立てておくのは難しいのか?

骨盤を立てるという表現は、骨盤を傾いた状態から起こしてくる動きを表しています。骨盤を起こすというのも同じ意味になります。

ヨガなどで骨盤を立てるという言葉がよく使われるということは、骨盤が傾いていることが多いことを示しているわけです。特に、座る姿勢では骨盤は後ろに傾きやすいんです。

その理由の一つに、骨盤の形にあります。骨盤が立った状態は、坐骨という骨の頂点が真下に向く形になり不安定だからです。

別の理由として環境の影響もあります。一般的に椅子はリラックスできるように作られているので、座面を後ろに傾け骨盤が後ろに傾きやすくしてあります。そして、後ろに傾けた方がリラックスできるということは、後ろに傾けると筋肉は休めることを意味しています。

つまり、骨盤を立てておくにはそれなりの筋肉の働きが必要になります。


骨盤を立てるのに必要な筋肉

では、次に骨盤を立てるのに必要な筋肉についてです。

主な筋肉はこの4つです。
・腹横筋
・背筋(腰部多裂筋)
・骨盤底筋
・腸腰筋

これらはいわゆる体幹筋とも言われている筋肉です。つまり、体幹筋が使えていると骨盤は立ってるし、骨盤が立っていると体幹筋を使っているといつ関係になります。

腹横筋はお腹の前側、背筋は背中側、骨盤底筋は骨盤の底あたり、そして腸腰筋は股関節の付け根付近と骨盤周りにある筋が働きます。

結論として、骨盤を立てておくには、体幹筋を働きやすくする役割があります。結果、体幹筋が鍛えられる、繰り返すことで骨盤を立てておくことが楽になっていきます。


骨盤を立てる時のポイント

最後に、一人でチェックできる視点で骨盤を立てる際のポイントを3つ紹介します。

1.下腹と股関節の付け根を意識する
筋肉の働きを考えると、下腹と股関節の付け根を意識して、骨盤を立てると体幹筋が働きます。腰痛があったり、腰に力が入りやすい人はオススメです。

2.骨盤の後ろ側の硬い部分が垂直
骨盤の後ろ側の硬い骨(仙骨)に自分の手のひらを当ててみて、垂直に感じる角度を探してみます。少し前側に傾いていてもOKです。

3.前後にグラグラするくらいが丁度いい
坐骨が床に当たる位置というのは、前後に不安定なポジションでもあります。ですので、前後にグラグラしているくらいが丁度いいところです。

”骨盤を立てる”について整理してみましたが、いかがだったでしょうか?
こんな感じで【姿勢のキホン】について、今後も書いてみようと思っています。

P.S
解剖学や運動学では"骨盤を立てる"や”骨盤を起こす”という用語はありません。でも、正しさよりも大切なことは、伝えたいことが伝わることですから、"骨盤を立てる"は分かりやすくていいんじゃないかと思うんです。

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