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11.ただの主婦がレ・ミゼラブルを読解していくだけのnote
前回 第一編 10 司教未知の光明に面す
前回は、王党派のミリエル氏、共和派に論破され考え方に深み増すの巻でした。
読んでいくのはこちら
青空文庫
レ・ミゼラブル LES MISERABLES
第一部 ファンティーヌ
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo
豊島与志雄訳
こちらより今回は
第一編 正しき人
11 制限
を読んでいきます。
第一編 11 制限
超意訳あらすじ
第一編(11)を私なりにまとめた超意訳あらすじがこちら。
ミリエル司教は、政治的なことには関与しませんでした。司教95人が集められた会議へ出るも、他の贅沢な人たちにいつもの皮肉をぶつけて浮いてしまい速攻帰って来るくらいです。
ミリエル氏は政治思想的にはアンチナポレオン派でした。あと王党派です。
その点以外は超聖人で、アンチナポレオンという点においてもかなり寛容でした。ディーニュの市役所の門番がナポレオン強火担で王政復古後に王室への毒舌を吐いて門番をクビになって路頭に迷っていたのを、自分の教会の門番にしてあげたほどです。
9年の在任期間の聖き行いと穏やかさですっかり市民に愛されたので、王党派でナポレオンアンチなところは人々も目をつぶっていました。ナポレオンを崇拝しながらも司教をも愛していました。
考察のような感想のようなもの
これね、前回10節でも意外だったんだけどミリエル氏は聖人君子かと思いきや、わりとしっかり思想があるのよね。生い立ちからすればあたりまえなんだけど王党派で革命中は亡命してるし、その流れで言えばナポレオン皇帝にも批判的なのは頷ける。とはいえこの物語の時点で1815年、王政復古したばっかりだから司教就任からの数年はナポレオン全盛期!なわけよ。ここで”成功の排斥者のみが失敗の正当なる裁断者である”という言葉がでるのだけど、これは現代でもあるあるじゃないかしら、全盛期はチヤホヤしてたけど衰退してきたら叩くみたいな手のひらクルクルは良くないよっていう話。その点ミリエル氏は思想強めなのはおいといて全盛期もアンチ貫いてたのは褒められるねって感じでした。
あらすじには入れてないけど、この節の途中で”この書物の主題と間接にしか交渉のない問題には深入りすることをしないで…”と話の脱線を戻してくるんだけど、何を今さら言ってるのかな?と思いました(笑)
次回 第一編 12 ビヤンヴニュ閣下の孤独
まだまだ司教エピソード続きそう。
読んでくれてありがとうございます。1人じゃ心折れそうなので…。
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