![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7884630/rectangle_large_type_2_905d5df39e7bc01eaf3dcb83d13bf25b.jpg?width=1200)
大好きな人たちが同じ時代に生きているということ-B'zとは-
僕が大好きなB'zは最強のロックバンドであり、最強のクリエイターであり、永遠のスターであり、HINOTORIです。不死鳥。
彼らの音楽は永遠に死にません。
しかし、100年後に、彼らはいません。
もちろん、僕らもいません。
僕かB'zが生まれるのが数十年ズレていたら、この感動は味わえなかった。
宇宙146億年の歴史の中でたった数十年のあいだ、同じ時代にこの世に存在して生で彼らのパフォーマンスを目の当たりにすることができる、この天文学的奇跡に、感謝します。
本日はB’z LIVE-GYM Pleasure 2018 "HINOTORI"の味の素スタジアム公演1日目でした(日付またいでしまった…9月21日のことです)。
ここ数日ずっと映画のことを書いていましたが、
今日だけはB'zのことを書かなければなりません。
なぜなら、今日(21日)はB’zのデビュー30周年記念日だからです。
なぜなら、僕の創作の核にはいつもB’zがいるからです。
なぜなら、僕の映画の公開日である23日は…稲葉さんの誕生日だからです。
だから今日は、B'zのことを書きます。
10歳の頃、小学4年の運動会の朝。リレーの選手として走ることに緊張していた僕を奮い立たせてくれたのは、朝ラジカセから爆音で流して聴いた『love me, I love you』でした。
14歳。初めて文化祭でつくった映画のエンディングテーマは、『さまよえる蒼い弾丸』でした。
18歳。夏休みの失恋で生きた屍となっていた僕を、高校最後の文化祭へと駆り立てた大復活のきっかけは、台風の中参戦したB’zの15周年LIVE-GYMでした。『ultra soul』からの『IT'S SHOWTIME!!』で、「かっこよすぎて涙が出る」という初めての感動を味わいました。今日からちょうど、15年前です。
21歳。後がない就活。監督になれるのか、なれないのか。決戦の最終面接の日、会社近くのドトールでヘッドホン爆音で聴いて最後のパワーをチャージしたのは、B’zの『ALL-OUT ATTACK』でした。
22歳。実家を出て一人暮らしを始める前日。明日からがんばる力をくれたのは、これまた豪雨の中参戦したB’zの20周年LIVE-GYMでした。あのアンコールの『RUN』は今も胸に焼き付いています。
30歳。いろんな人から褒められたCMの仕事…BGMはB’zの『RED』でした。
31歳。自分の結婚式の入場曲は、B’zの『RED』、エンディング曲は『RUN』でした。
そして、33歳。ひとまず33年の人生の集大成イベントである、自分の映画の劇場公開を控え、そこに向けて勇気とパワーと情熱をふたたびチャージしてくれたのは…本日のB'z 30周年LIVE-GYMでした。
これで、がんばれます。まだまだやれます。
早くたってゆっくりだって、とにかく走り続けることができそうです。
これは、けっこう奇跡なのです。
10歳のときにハマったバンドが、自分が33歳になった今も現役バリバリであること。彼らのたゆまぬ努力なしには、成立しません。明日54歳になる稲葉さんが叫び、走り、57歳の松本さんがギターをかき鳴らし、何万人がひとつになる。稲葉さんは磯野波平は同い年ですよ!?信じられません。
B’zがまだB’zでいてくれること、これは奇跡であり、幸福なことなのです。
B’zがなぜ、最強なのか。なぜ好きなのか。
#とは で語るには、これしかありません。
自分にとっては、映画制作より付き合いの長い趣味であり、生きがいです。
驚異的な売上枚数や、ホテルのドアをテープで貼ってストイックみたいな、よそで語られてることは今回は語りません。
クリエイターとして、アーティストとして、
僕が尊敬するB’zを語りたいと思います。
B'zが唯一無二の最強アーティストである理由を、3つあげてみます。
継続─B’zがまだB’zであること
集中─音楽活動以外しない
調合─ハードロック歌謡曲
では、ひとつずつ語っていきます。
継続─B’zがまだB’zであること
彼らは活動休止しないんです。30年間ずっと。2009年のシングル『MY LONELY TOWN』から2011年の『さよなら傷だらけの日々よ』までは、毎年何かしらシングルを発表していました。アルバムも2011年の『C’mon』から2015年の『EPIC DAY』で2年以上あくまでは約1年に1枚か、1年半に1枚のペースでリリースしていました。
しかも彼らはB’zとしてアルバムを出さない時期は、ソロ活動をしています。ソロでアルバムをリリースし、ソロでLIVEをする。そうして得たなにかをB還元することで、B'zはさらにパワーアップするのです。
彼らは必ず、B'zに戻ってくるのです。
B’zがまだB’zであること。何度も言いますが、これは本当に幸せなことです。多くのアーティストが、人知れず消えていきます。モチベーションの枯渇、才能の枯渇、セールスの鈍化…つづけることは、それだけで難しい。解散はもちろん、活動休止もせずずっと活動しつづけてくれていること。ファンにとってこれ以上嬉しいことはありません。
松本さんは今日言ってました。「ずっと続けてて、よかった」
味の素スタジアムの5万人は思いました。「ずっと続けててくれて、ありがとう」
集中─音楽活動以外しない
俳優デビュー?しません(一度だけテレ朝の生ドラマにB’zとして登場したことはありますが)。バラエティ出演?しません。飲食店経営?しません。自伝の出版?しません。CM出演?しませんでした(2011年のPEPSI NEXまでは。しかしこれも商品飲んで「おいしい!」とはやらず、ひたすら演奏していることでの出演です)。
これらをやってるアーティストを悪く言うつもりはありません。
ただ僕がB’zを尊敬するところは、
ただひたすらに音楽活動に打ち込む、ブレないところ。
B’z松本さんが15年前にCDデータのインタビューで語った言葉があります。
「いいアルバムをつくり、いいツアーをする。それ以外にない」
か、かっけぇ…!なんと潔いのでしょうか。そうなんです、僕らファンはぶっちゃけそれ以外はそんなに求めてないです。それがすべて。イチブトゼンブ。常にいいアルバムをつくり、いいツアーをしてくれるから、キャラクターとしての彼らにも夢中になれるのです。
調合─ハードロック歌謡曲
これだけちょっと分析的になっちゃうのですが。
よく言われることですが、B’zがなぜ売れて、売れ続けているのか。
それは松本さんのつくるアメリカンなハードロックサウンドの中に、歌謡曲への愛がかいまみえるから。
稲葉さんの歌詞に、ビビるけどがんばる、とか不安や嫉妬に狂いそうになる弱さがあるから。
要するに、ガワはハードロック、中身は歌謡曲というか、浪花節というか。
日本人が憧れる耳ざわりの中に、日本人が持っている湿った感情や義理人情、根性がくるまれている。
料理で言えば、てりやきバーガーです。和風おろしステーキです。
それそのものはハンバーガーであり、ステーキです。アメリカンハードロックです。そこに、てりやきソースや大根おろし、醤油のような日本の心が調合されているのです。
磨き上げた技術で妥協なく提供されるハードな手触りと、
両立するポップな(大衆性を持った)人間味。
僕はこれが、世界を獲れる唯一解だと本気で思っています。
とがりすぎてとっつきにくくはしない。
薄っぺらくてスカスカのものにはしない。
さわった感じはアメリカンスーパーメジャー、
中身は浪花節で繊細な義理人情。
人間の陰と陽が融合された、ど真ん中の打ち上げ花火。
僕のつくる映像には、
いつも軸にそういうB’zility(B’zっぽさ)を意識しています。
いや、マジで。
CMも、MVも、WEBムービーも、そして今回の映画も。
見た目はハリウッド的ゴージャスマシマシ、
中身は合理より義理の人情話。
そこに、B’zilityはあるか。
幸い僕の映像はよく「B’zっぽい」と言ってもらえることが多いです。
B'zっぽいなにかに対して「洞ちゃんっぽい」と言ってもらえることもあります。
広告業界ではこういう"スーパーど真ん中メジャー"は逆にマイノリティな空気をずっと感じてますが、めげずにそこに立ち続けます。
ジャパニーズスピリットを、アメリカンメジャールックで包んでぶちかます、B'zilityのある映像を、ブレずに、継続します。
まとめ
メジャーであるということ。アングラではなく、真ん中にいること。
彼らは最近アルバムで自らのことを『DINOSAUR』と呼び、古くて時代遅れなものと皮肉りました。日本の音楽シーンで、ハードロックで生き残っているのはB’zくらいなもの、という評を受けてのことです。
しかし彼らは表題曲『DINOSAUR』の中でこう言います。
「背中がムズムズしてきた 翼かも」
「今を生きるのさ 人知れず進化して」
くぅー!かっこいい!
彼らはまだまだ、進化をやめないのです。
もっとできる、まだまだやれる。そう、稲葉さんはMCでよく言います。
「もっとやってもいいですかー?」
「まだまだやりたいんですよ」
「もっとやらせてください」
20周年のLIVE-GYMの締めくくりは、
「いっぱい勉強して、いっぱい練習して、また戻ってきます」
でした。
実際、B’zの楽曲は新曲を聴くたびに「まだこんな引き出しがあったのかー!新しいけど、明らかにB’zらしい!」と思うことがほとんどです。
ブレずに続ける、でもいろんなものを調合して取り込んで、走りながら進化する。だから彼らはファンをずっと魅了しつづけているのでしょう。
彼らをみていると、常に問いかけられているようです。
みんなはどうですか?
ぶっ倒れてませんか?
ブレてませんか?
続けるのを簡単にあきらめてませんか?
もうちょっとやってみましょうよねぇ?
凝り固まって、柔軟に取り入れることをサボってやしませんか?
ダメでも、もっともっとぶつかってみましょうよねぇ?
言葉ひとつ足りないくらいで全部壊れてしまうんですか?
かすり傷さえもないまま終わりそうですか?
彼らのデビューアルバム『B’z』の帯につけられたコピーは、いま見ても後の彼らを言い得ていると思います。
"最先端から加速する"
そんなつもりで、僕もGLORY DAYSをSURVIVEしつづけようと思います。
目も眩むような僕のmain street(『だからその手を離して』)
胸をはって ここから歩くよ(『GLORY DAYS』)
まだやだ僕は眠らない(『SURVIVE』)
バックミラーはいらない 振り向くつもりもない(『CHAMP』)
荒野を走れ どこまでも(『RUN』)
夢じゃない あれもこれも(『ultra soul』)
がむしゃらな日々は報われる(『MOVE』)
セメナキャイケナイ キメナキャイケナイ
生まれてきた意味を知るために(『ALL-OUT ATTACK』)
ぶっ倒れるまでやりきる(『juice』)
そして輝く、ウルトラソウル(『ultra soul』)
いつかB’zのMVを監督できる日を夢見て、
そして自分の長編映画の主題歌をB'zに歌ってもらうことを夢見て。
笑っちゃうかもしれませんが、リアルに宇宙146億年の中で、
僕とB'zが奇跡的に同じ時代に生きてるから、
これらを夢見ることができることです。
好きなアーティストが現役であること。
これは 数十年/146億年 の天文学的な奇跡です。
僕らはジェームズ・ブラウンのLIVEを生で観ることはもうできません。
マイケル・ジャクソンも、美空ひばりも、ZARDも。
大好きなB'zが現役で、
自分も生きていて、彼らのLIVEを観に行くことができる、
この天文学的奇跡に感謝します。
B’z30周年おめでとうございます。
そして本当に、ありがとうございます。
またパワーと勇気とPleasureを、たくさんもらいました。
明日(23日)は自分自身の大勝負。
『東京彗星』シネマート新宿での公開です。
メッセージよ届け ど真ん中に届け(『New Message』)
火の鳥よ 姿見せて(『HINOTORI』)
この新宿上映が終わっても、僕も、
いっぱい勉強して、いっぱい練習して、また戻ってきます。
いいなと思ったら応援しよう!
![洞内 広樹 (映像ディレクター/映画監督)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/4520587/profile_32bdcd562a0436358b41238307ae337c.jpg?width=600&crop=1:1,smart)