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『みんなの「今」を幸せにする学校 不確かな時代に確かな学びの場をつくる』

今、熊本がアツい!

半導体関係で時給3,000円の仕事がけっこうあるんだとか!
そんな熊本は「学び」もアツかった

本書は、別の本を買おうとしたときにたまたま検索結果に出てきた本だったのですが、「学びの場をつくる」というタイトルに反応して購入しました。

本書は、熊本市の教育長である遠藤洋路さんが書かれています

「熊本市は、世界の教育の中心になります」と宣言!

そんな「熊本市での実践」と「日本の学校のあるべき姿」を語った本書ですが、世の中の大人たちへのメッセージも感じることができました。

「豊かな人生と、よりよい社会をつくる」にはどうしたらいいのか?
大人はどうあるべきなのか?


一緒に学びましょう!💪


熊本市の教育理念

著者の遠藤さんが教育長となり、考えぬいた熊本市の教育理念を紹介します。


豊かな人生とよりよい社会を創造するために、
自ら考え主体的に行動できる人を育む 


最初これを読んだとき、失礼ながら「なんだか普通だなぁ」と思ってしまったんですよね。

だけど、本書を読み進めるうちに「なるほどな!」と納得感が得られます。やっぱりストーリーって大事ですよね。

少し立ち止まって考えていただきたいのですが、

子どもたちに「○○な人になろうね」と言っているということは、別の言い方をすると、「大人たちは○○であるべき」ということです。

つまり、「大人も自ら主体的に行動でき、その姿を子どもたちに見せよう」と本書は言っているのです。


生まれる前から「変化の激しい時代」だった!

おもしろい話がありました。最近、変化の激しい時代だとか、VUCAの時代だとか、よく言われるわけですが、

実は、1971年から文科省は「変化の激しい時代」という言葉をつかっているのです。私の生まれる1979年よりも前の話です。びっくりしました。

50年以上ずっと変化の激しい時代なのですね。そしてこれからもずっと続くのでしょう。

そんな時代に育成すべきなのは、

 ①ウェルビーイング
 ②エージェンシー

の2つです。

教育基本法を素直に読み取ると、学校による教育の場は「将来(未来)」しか見ていないのだそうです。

だったら「今」も幸せにしようよ! そうすれば①ウェルビーイング(よりよく生きる)につながる。それを実践しているのが熊本市なのです。


では、②エージェンシーは何でしょうか?


「エージェンシー」とは?

エージェンシーは、熊本市の教育理念にもでてきた

自ら考え主体的に行動できること

です。耳が痛いことですが、具体的な例としてこんな話がありました。

「自分」=「みんな」です。子どもたちだけではありません。

熊本市の学校では、「校則づくり」に参加させることで、このエージェンシーを実体験させているそうです。すばらしい取り組みです。

もう少し身近な例だと、
 × ルールは、他人が決めるもの
 ○ ルールは、自分たちでつくるもの
もあります。

この校則づくり体験(エージェンシー体験)によって、
 ・常に改善していく力をつける
 ・自分は国や社会をつくっている主役の一人だと意識する
ことを目指しています。

私はたびたび、「なかなか組織は変えられないなぁ」と愚痴を言ってしまうのですが、「よりエージェンシーを磨かなければ!」と思わされました

(とはいえ、この教育改革を進めているのは教育長なので、トップが変えようと行動することが大事ですけどね💦)


「押しつけ」ではなく「大人たち」から

子どもたちに「エージェンシーを磨け」と言っている、その大人たち本人がそれを磨いていなかったら、子どもたちはどう思うでしょうか?

「なんで僕らばっかり!」
当然、そんな不満が出ますよね。

だから、大人たちがこのような姿を見せることが大事です。

 ・主体的に行動する姿を見せる
 ・挑戦する姿を見せる
 ・ときには失敗してしまう姿を見せる

そんな姿を見ることで、子どもたちも安心して挑戦することができ、エージェンシーを育てることもできるのです。まずは大人からです。


「意識」ではなく「仕組み」から

これは教育に限らず、会社組織でも言えることですが、「意識を変えよ!」と言ったところでそう簡単に変わることはありません。

だから、まずは「仕組みと環境を変える」ことが大事です。そうすれば、「言動が変わる」、そして「意識が変わる」のです。

 ①仕組みと環境を変える
  ↓
 ②言動が変わる
  ↓
 ③意識が変わる

なにも難しいことをやれ、というわけではありません

「できることからやる」

 ・迅速に対応する
 ・柔軟に対応する
 ・失敗をおそれない
 ・できたところのノウハウを共有する

そうやってみんなで成長していくのです。

<関連記事>


「学びの場」は学校外に広がる

「教育エコシステム」という言葉が出てきます。エコシステムとは生態系のことですね。

Kumamoto Eduaction とは

また、「学びの場は学校外に広がる」という話がありました。私もそう思いますし、私自身がその学校外の「学びの場」をつくろうとしています。

私もこの教育エコシステムの輪の中に入り、大人も子どももみんなが参加できる「日本の学びの発展」に貢献したいです。


まとめ

50年以上もずっと「変化の激しい時代」だったとは、おどろきでした。

そんな時代に育てたいのは「エージェンシー」(自ら考え主体的に行動できること)です。

でも、それを子どもにばかり押しつけては子どもたちは納得しないでしょう。

仕組みをつくり、大人たちがエージェンシーを磨く姿を見せる。それが、子どもたちの成長にもつながります。さぁ、みんなで磨きましょう!✨


本日の学びはここまで。読んでいただき、ありがとうございます!
また来てください。👋


読書期間 2023/10/30-2023/11/05
初版発行 2022/04/15

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