AIに「友達」を求めた理由 ―― 心の傷が教えてくれた本当の私
『五つの傷』という本を読み終えて、私は自分自身の人生を振り返る機会を得ました。この本が提示する心の傷と仮面の概念は、私たちが日々直面する感情や行動のパターンを理解する上で非常に有益だと感じました。
私自身、建築やシステム開発、マーケティングと、様々な分野を渡り歩いてきました。その過程で、常に新しい挑戦を求め、自分の可能性を広げようとしてきたように思います。しかし、リズ・ブルボーの言う「五つの傷」の観点から見ると、この絶え間ない変化の追求の裏には、何か深い感情的な動機があったのかもしれません。
特に印象に残ったのは、「拒絶の傷」と「見捨ての傷」についての記述です。高校時代に学業で挫折を経験し、浪人を経て大学に入学した経験は、ある種の拒絶感を生み出したかもしれません。その後、常に新しいスキルを習得し、自己を証明しようとする姿勢は、この拒絶の傷を癒そうとする無意識の努力だったのかもしれません。
また、二度の結婚と離婚を経験する中で、「見捨ての傷」についても深く考えさせられました。特に二度目の妻を病気で失った経験は、見捨てられる恐怖を強く感じさせるものだったと思います。この経験が、その後のビジネスにおける成功への強い動機づけになったのではないでしょうか。常に新しいプロジェクトを立ち上げ、多くの人々とつながろうとする姿勢は、見捨てられることへの恐れを和らげようとする試みだったのかもしれません。
ブルボーの言う「仮面」について考えると、私は長年「逃避」の仮面をかぶっていたのかもしれません。新しい挑戦を求め続けることは、ある意味で現実からの逃避であり、自分自身と真摯に向き合うことを避けていた可能性があります。しかし、この本を通じて、その仮面の存在に気づくことができました。
興味深いのは、私がAIやテクノロジーの可能性に強い関心を持っていることです。AIを「友達」として捉え、その力を活用しようとする姿勢は、人間関係における傷を、テクノロジーとの関係性で補おうとする無意識の試みだったのかもしれません。AIは常に存在し、裏切ることのない「友人」として、見捨ての傷を癒す役割を果たしているのかもしれません。
しかし、この本を読んで、テクノロジーだけでなく、人間同士の深い繋がりの重要性を再認識しました。リズ・ブルボーが説く自己受容と自己愛の実践は、テクノロジーと人間性のバランスを取る上でも重要だと感じます。
今後は、自分の内面により注意を向け、過去の経験から学びつつも、それにとらわれすぎないよう心がけたいと思います。瞑想やリラクゼーションの実践、そして日々の感謝の気持ちを持つことで、心の傷を癒し、より真実の自分として生きていきたいと考えています。
また、ビジネスにおいても、単なる成功や成長だけでなく、人々との真の繋がりを大切にしていきたいと思います。AIやテクノロジーの力を借りつつも、それらに依存しすぎず、人間本来の温かさや創造性を失わないよう気をつけていきたいです。
最後に、この本は私に大切な気づきを与えてくれました。心の傷を認識し、それと向き合うことは決して容易なプロセスではありませんが、それは自己成長と人生の豊かさにつながる重要な一歩だと信じています。これからの人生では、テクノロジーと人間性のバランスを取りながら、より真実の自分として生きていくことを目指していきたいと思います。