それでも、パリに住む〜高田賢三講演会より〜
二週間ほど風邪と格闘していて日々を生きるのが精一杯。全く投稿できませんでした。市販風邪薬どれが一番効くのかお願い!ランキングで発表してほしいわ。水曜日のダウンタウンで大トニーに検証してもらっても可。
さて、そんな中、どうしてもと無理して行ってきたのが高田賢三さんの講演会でした。
講演中は撮影禁止ということで開始前に一枚。
やはりレジェンドデザイナーの講演ということもあり、まさに立錐の余地なしといった感じでした。
高田賢三さんと言えば、言わずと知れた「KENZO」ブランドをパリで1から立ち上げ世界的ブランドとした、まさにワールドワイドな日本人デザイナーの先駆者。現在はブランドの一線から退き、様々な創作活動にシフトされています。
御年79歳ですが、もう会場に入った瞬間からオーラが違う。
メッシュの入ったヘアスタイルがとってもモードで素敵です。僕も染めないと前髪の根元がメッシュなのですが、今度からは関口宏やMrマリックじゃなくて高田賢三風と言うことにしよう。
講演はまず、単身パリに渡るところからスタート。
最初の3ヶ月はパリに圧倒されて何もできず、ようやくデザインスケッチなどの絵を描いて持ち込んで売って生計を立てていたそうです。
そこから偶然デザイナーとして採用され4年で独立するまでの話が展開されていったのですが、個人的にフォーカスしたいのはブランドを離れざるを得なかった時のことについてでした。
華々しい躍進を続けていたKENZOでしたが、80年代後期には経営難となりLVMH(ルイヴィトンモエヘネシー・ヴィトンを中心としたファッションコングロマリット)傘下に吸収されてしまいます。そして2000年にはデザイナーだった自身もブランドから離れることに。現在はアメリカ人デザイナーデュオによるコレクションとなり、全く別物になっています。大陸の人が好きそうなデザインだよね。
ところが、講演ではここにほとんど触れていません。
僕はここが聞きたかったし、実際司会の方からも「一番辛かったのは、その時期だと伺っていますが?」という問いかけがありました。
しかし、賢三さんがほとんどお答えにならなかった。
「会社を売るか、どうやって続けていくか、契約の問題も含めて本当にあの時は大変でした。。」とおっしゃったのみ。
まだ「過去の話」にはなっていないんだな、と直感的に思いました。
まだ、あの時はもう〜というテンションで振り返る段階ではない。現在進行形でショックを感じているようでした。昔話として皮肉も交えてお話になるのかな〜なんて思っていた自分が浅はかだったと内心恥ずかしかった。
高田賢三というデザイナーが、いかにクリエイションに人生を捧げたか、クリエイションを奪われた悲しみがいかほどか、それを痛感させられるシーンでした。事実、KENZOを離れてからはスポット的なデザイナー活動しかされていません。
ー ちなみに、賢三さんと同様に一時ブランド存続の危機を経験したのは山本耀司さんでした。どちらもクリエイション能力にパラメーター全振りのタイプ。一方、三宅一生さんや川久保玲さんはブランドを育ててつつ経営面でも磐石。後進も育てています。パラメーターでいくとバランスがいい。今はデザイン能力だけでは生きにくい時代だなと改めて感じます ー
でも、賢三さんはパリを離れようとしません。
デザイナー人生の後半は決して良い思い出ばかりではないはず。一等地に住居があるとはいえ、日本に戻ることだって好きな場所に住むことだってできるのです。
僕は、司会の方の「やはりパリなんですか?」という問いに対して
「今はニューヨークとかロンドンもお洒落ですけどね、やっぱりね、パリはすごいんですよ!!」
と語られた時に感じた”熱”が忘れられません。本当に生き生きと語られていた。
やはり、パリはファッションの中心地である。自分はその中心に居たい。まだまだ現役のデザイナーとしての、そんな想いを感じることができました。
いいこともそうでないことも、全てを包んでなお魅力を振りまくパリ。
僕も毎年仕事としてパリに行っていますが、やはり特別な魅力を感じています。コレクションの開催地だってそれぞれ皆素敵なんです。でも1都市の総合的な魅力としてパリに勝るところはそうないと思っています。
あ、異論は大いに認めますので!
個人的にはフィレンツェも大好きです。お洒落と料理とスイーツが充実してるところならどこでも行きます。
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