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絶対に押さえるべき知識!腰椎運動と力学的負荷の真実

腰痛を始めとする脊椎疾患の患者さんをみるためには、腰椎の動きとそれに伴う力学的負荷を理解することは重要です。この記事では、腰椎の屈曲、伸展、側屈、回旋といった基本的な動きがどのように力学的な負荷を生み出し、それが腰痛の原因となるかについて、具体的な解説を行います。特に、理学療法士として患者にアプローチする際に役立つ情報を提供します。

腰椎の屈曲:前屈時の圧力とそのリスク


屈曲(前屈)時、上位の椎体は前方に滑り、椎間板の前側が圧縮されるため、髄核は後方へ押し出されます。この動きは日常の多くの動作、例えば物を持ち上げる際に頻繁に見られますが、この時に腰椎への圧力が大幅に増加します。特にリフティングの動作では、椎間板への内圧が著しく上昇し、椎間板性腰痛や椎間板ヘルニアのリスクが高まります。

前屈動作での痛み


前屈動作時に腰痛や下肢痛を訴える患者は、椎間板の問題を抱えている可能性が高いです。屈曲時には椎間板の圧力が増加し、腰椎椎間板ヘルニアなどが原因となっている場合、髄核が神経を圧迫し痛みを引き起こすことがあります。特に、リフティング動作を頻繁に行う人や姿勢が悪い人は、このリスクに注意が必要です。

伸展時の負荷:腰椎関節へのストレス


伸展(後屈)時には、上位の椎体が後方に回旋し、椎間板の後方が圧縮されます。この際、椎間関節や椎間孔に大きなストレスがかかることが知られています。特に、椎間関節は伸展と回旋動作に敏感で、これらの動作が繰り返されることで、関節が圧迫されるリスクが増します。

伸展による腰痛


体幹を伸展させた際に腰痛を感じる患者は、椎間関節に負荷が集中している可能性があります。研究によると、腰椎を伸展させた際、屈曲時の約2倍以上の圧力がかかることが確認されており、これが腰痛の一因となることがあります。特に椎間関節性腰痛や腰部脊柱管狭窄症の疑いがある場合には、伸展動作が痛みを悪化させることが多いです。

側屈と回旋:バランスを崩した動きが腰に与える影響


側屈時には、側屈側の椎間板が圧迫され、反対側が引き伸ばされます。回旋運動においても、回旋方向に応じて片側の椎間関節が圧迫され、反対側は伸張されます。このような動きは、スポーツや日常生活の中で頻繁に行われますが、過度に行うことで腰椎にストレスがかかり、痛みを引き起こす可能性があります。

回旋時の腰痛


腰をひねった時に痛みが生じる場合、椎間関節が過度に圧迫されている可能性があります。特に、急な動きや姿勢の変化によって、椎間関節や椎間孔に過大な負荷がかかることがあります。

力学的負荷と動作における圧力変化表

先行研究では、椎間孔に圧センサーを設置し、腰椎運動時の圧力を計測しました。その結果、屈曲位では185 mmHg、中間位では29.4 mmHg、伸展位では41.2 mmHgという圧力値が得られました。特に、伸展時には屈曲時の2倍以上の圧力がかかることが示されています。このデータは、腰椎運動における力学的負荷の理解を深める重要な指標となります。

結論


腰椎運動による力学的負荷は、腰痛の原因となる重要な要素です。屈曲、伸展、側屈、回旋といった基本的な動きが、どのように腰椎に影響を与えるかを理解し、日常生活や運動においてこれらの動作を正しく行うことが、腰痛予防の鍵となります。理学療法士として、患者の腰痛を効果的に改善するためには、これらの知識を活かし、どのような力学的負荷が加わっていうかをイメージすることが重要です。

参考文献


1. Nachemson AL: The Lumbar Spine: An Orthopedic Challenge. Spine, 1159-1171, 1976.
2. Sairyo K, et al.: Spondylolysis fracture angle in children and adolescents on CT indicates the fracture producing force vector – A biomechanical rationale. Internet J Spine Surg, 1(2): 2005.
3. Morishita, et al.: Neurogenic intermittent claudication in lumbar spinal canal stenosis – The clinical relationship between the local pressure of the intervertebral foramen and the clinical findings in lumbar spinal canal stenosis. J Spinal Disord-Tech, 22(2): 130-134, 2009.

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