あなたは自己受容できているのか?

真面目な人の悩み

小さい頃から、周りの期待に答えつつ、目立たないように、いつも他の人に評価されたり、自分を評価する生活をしてきました。

両親は、「良い子でありなさい」、「良い大学に入りなさい」「ちゃんと就活して」「一生懸命勉強しなさい」「社会の期待に応えなさい」とよく言っていました。私は、社会に適合するため、周りの期待に応えるために一生懸命頑張ってきましたが、結局は何のために頑張っているのか、誰の期待に応えようとしているのか分かっていませんでした。何かをやる度に、それが自分が本当にやりたいかどうかという基準ではなく、社会的に「良い」か「悪い」かを基準に考えて決めてきました。徐々に、物事が予想通りに進まない時、私は自分を疑ったり、否定したりするようになりました。

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私の完璧主義や真面目さは、私をある程度の成功へと導いてきました。しかし、この「周囲の期待に応えなければならない」というプレッシャーは、私を窒息させるだけだということにようやく気付きました。大学時代に、私は燃え尽き症候群(バーンアウト)になりました。当時は、燃え尽き症候群になったということさえも気づきませんでした。大学のクライメイト誰もが自分よりも賢い、どんなに頑張っても自分の目標には手が届かない、周囲の期待には感じて、私は敗北感を味わい、ベットから抜け出して授業に行く気力を失ってしまいました。その時、みんなの期待に応えたいという想いが、自分を消耗させていることにようやく気付きました。しばらくの間、私は家からは一歩も出ず、ベッドの中に引き篭もって、何もせずに過ごしていました。今思えば、当時は自分に厳しすぎたのかもしれません。ただすべてのことから逃げ出したかったのかもしれません。

燃え尽き症候群(バーンアウト)は、うまく管理されていない慢性的な職場ストレスに起因するものとして概念化された症候群です。それは3つの側面によって特徴づけられます。
1)エネルギーの枯渇や疲労感。
2)自分の仕事からの精神的な距離感の増加、または自分の仕事に関連する否定的や皮肉な感情
3)仕事に対するモチベーションの低下
燃え尽き症候群は、特に職業上の現象を指し、その他の生活の中で起こり得る現象及び経験を説明するためには適用されません。[1]

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そんな引き篭もり生活を送っていたある日、私は突然ひらめきました。

「私は一体、誰の期待に応えようとしているのか?誰を喜ばせようとしているのか?」

自分の本当の感情や欲求をないがしろにして他者の期待に応えようとするのではなく、自分の本当にやりたいこと、達成したいこと、今感じていることに耳を傾け、自分自身を受け入れようと考え直しました。いつも全力で走っている自分に対して、「少しだけ肩の力を抜いてもいいのではないか?」と言い聞かせました。失敗してもいいし、「のんびりしたい、仕事をしたくない」と思う時があってもいい。いつも高いエネルギーを維持して、モチベーションを保つ必要はないのだと気づきました。それ以来、私は他者からの評価と期待の檻から自分自身を解放したかのように、より多くの安心感と幸福感を持つようになりました。私はもう、自分の感情や欲求を無視したり、避けたりしようとしなくなりました。

私のこの突然のひらめきは、「自己受容」という考えでしたが、「マインドフルネス」という概念と共通なところがありました。マインドフルネスの目標は、認知的柔軟性を高めることによって行動の柔軟性を高め、現在の環境に適応する能力を向上することです。[2]

自己受容・マインドフルネスとは何か?

仏教の伝統に由来し、マインドフルネスは2千年以上実践されてきました[3]。マインドフルネスとは、好奇心と思いやりを持って、意図的に、一瞬一瞬に集中することを学ぶことです。[3]

マインドフルネスは、私がこの体験で得た「今、自分自身の感情・感覚に気づき、その感情・感覚を受け入れる学習」に似ています。感情のマインドフルネスは、自分の感情を抑圧することなく、自分の感情を体験・認知することです。具体的には、感情を評価せず、阻害せず、今の感情を観察し、受け入れます。

そうすることで、自分の感情に向き合うことができ、感情のコントロールからも解放されます。 [4] さらに、ネガティブな感情の存在の合理化、苦痛の減少、受容にも役に立ちます。[4] 

マインドフルネスは、私たちの生活とどう繋がっているか?

私たちの生活の中では、親、子供、同僚、管理職、社員、市民...など、役割が多すぎて、時には自由が利かないまま、ルールや期待のすべてに合わせて行動しなければならないことがあります。本当の自分は、やる気がなく、気が前に進まないのに、、心の中の声が「私は十分頑張っているか」、「これで本当にいいのか」と自分自身を評価し、自分を掻き立てていないでしょうか。自分の気持ちを抑えて、他人の気持ちを優先させていないでしょうか。結局、最も重要なのは、自分自身の気持ちを認識し、受け入れることです。もちろん、責任感を持つことも大切ですが、時には、自分自身の気持ちを素直に受け入れる必要があります。過去や未来について考え過ぎず、「今ここ」に集中し、自分自身の気持ちを認識し、視点や考え方の転換や自分の心を受け入れることが大事になります。

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マインドフルネスの効果は何か?

マインドフルネスはメンタルヘルスにポジティブな影響があることが数多く研究で証明されています。多くの研究は、ウェルビーイング、人生の満足度、ポジティブな感情を向上させ、うつ病や不安などの心理的苦痛を軽減する有効性が証明されています」。[6][7][8] また、マインドフルネスはストレス軽減に最も効果があると述べています。[7]

社会人に関する研究は、マインドフルネスが、ストレス、不安、苦痛、うつ病、燃え尽き症候群の減少、または健康、仕事のパフォーマンス、思いやりと共感心、ポジティブなウェルビーイングなどを改善に与えたポジティブ影響を示しました。[9]

したがって、私たちの生活にマインドフルネスを活用することは、私生活と仕事上の生活の両方に良いインパクトを与えることができるでしょう。

では、どのようにしてマインドフルネスを実践すればよいのでしょうか?

今後の記事で、マインドフルネスに関する詳細情報・手法を掲載します。皆さん、どうぞご期待ください。

終わりに

「自分を信じている人は、他人を説得する必要はない。自分に満足しているから、他人の承認を必要としない。自分を受け入れるからこそ、世界は自分を受け入れるのである」と老子は述べていので、そのためには、自分のことをつねに評価するよりよりも、自己受容し、自分の気持ちを認めて、今を大切にすることに重きを置くべきなのかもしれません。

References:

[1] Burn-out an "occupational phenomenon": International Classification of Diseases. (2019, May 28). Retrieved November 12, 2020, from https://www.who.int/news/item/28-05-2019-burn-out-an-occupational-phenomenon-international-classification-of-diseases
[2] Carson, Shelley & Langer, Ellen. (2006). Mindfulness and self-acceptance. Journal of Rational-Emotive and Cognitive-Behavior Therapy. 24. 29-43. 10.1007/s10942-006-0022-5.
[3] Groves P. (2016). Mindfulness in psychiatry - where are we now?. BJPsych bulletin, 40(6), 289–292. https://doi.org/10.1192/pb.bp.115.052993
[4] Linehan, M. M. (2014). DBT (R) Skills Training Manual, Second Edition (2nd ed.). New York, NY: Guilford Publications.
[5] Keng, S. L., Smoski, M. J., & Robins, C. J. (2011). Effects of mindfulness on psychological health: a review of empirical studies. Clinical psychology review, 31(6), 1041–1056. https://doi.org/10.1016/j.cpr.2011.04.006
[6]Ma, Y., She, Z., Siu, A. F., Zeng, X., & Liu, X. (2018). Effectiveness of Online Mindfulness-Based Interventions on Psychological Distress and the Mediating Role of Emotion Regulation. Frontiers in psychology, 9, 2090. https://doi.org/10.3389/fpsyg.2018.02090
[7] Virgili, M. Mindfulness-Based Interventions Reduce Psychological Distress in Working Adults: a Meta-Analysis of Intervention Studies. Mindfulness 6, 326–337 (2015). https://doi.org/10.1007/s12671-013-0264-0
[8] M.P.J. Spijkerman, W.T.M. Pots, E.T. Bohlmeijer,
Effectiveness of online mindfulness-based interventions in improving mental health: A review and meta-analysis of randomised controlled trials, Clinical Psychology Review,
Volume 45, 2016, Pages 102-114, ISSN 0272-7358, https://doi.org/10.1016/j.cpr.2016.03.009.
[9] Lomas, Tim & Medina, Joan & Ivtzan, Itai & Rupprecht, Silke & Eiroa Orosa, Francisco Jose. (2018). Mindfulness-based interventions in the workplace: An inclusive systematic review and meta-analysis of their impact upon wellbeing. The Journal of Positive Psychology. 14. 1-16. 10.1080/17439760.2018.1519588.